なかなか記憶することができないために学習効率が上がらないと悩んでいる人は少なくないと思います。しかし、記憶力というものは誰もが持っている能力なので、鍛えれば誰でも満足できるレベルに成長させることができます。  記憶力を身につけるためには、海馬を育てることが重要なテーマとなってきます。海馬は記憶をコントロールする役割を持っているので、少しでも多く情報を記憶することや、暗記力、物事を忘れさせないためにはとても重要な存在なのです。  では、どのようにして海馬を育てればいいのでしょうか。今回は海馬の鍛え方について解説していきたいと思います。  まず脳科学などが好きな人であれば、加齢とともに脳は退化すると考えていると思いますが、それは間違いです。最新の研究で脳細胞は刺激を与えることによって、新生することが判明しました。ただし、それは海馬における神経細胞に限るのですが、その海馬の神経細胞を増やすことが、脳全体のネットワークを活性化させることがわかったのです。  つまり、年齢は問わず、海馬さえ育てていけば、脳が活性化され、記憶力を増大させることが可能になるのです。では、海馬を育てるにはどうしたらいいのか。それは繰り返し思い出すことが第一のテーマとなってきます。  人間は何か物事を覚えると、その情報が海馬に短期記憶という形で送信されます。しかし、短期記憶は文字通り、持続時間があまり長くない記憶のことです。脳内で情報をストックさせるためには、短期記憶の消失を防止することが重要であり、長期記憶として定着させることが必要になってきます。  そのためには、繰り返し思い出すことがとても有効な手段で、勉強だったら復習することが、長期記憶へ情報を持っていくための鍵になります。また、長期記憶に少しでも情報を移行しやすくするためには、「何かに関連付けて覚える」というのも有効です。つまり、物事をしっかりと理解して覚えることが条件となってくるので、刺激が強い分だけ情報がストックされやすくなります。  たとえば、人物名を暗記したいなら、名前とその人の特徴を関連付けすると、長期記憶としてストックしやすくなります。つまり、何か情報を記憶するときに関連付けて覚えることで、脳のなかではその関連付が映像、音、言葉などに分けられて保存されることになります。そのため、記憶を思い出しやすくさせることができるのです。  また、書いたり、声に出して読んだりして脳に覚えやすくさせることも大切なことです。手や耳などの器官を刺激することによって、記憶はストックされやすくなります。そのほかにも、何か情報を覚えるときには、重要なポイントとなる項目をメモすることが大切でしょう。それを何度も読み返すことによって、長期記憶としてストックしやすくなります。  そして、適度な運動は脳の血流を良くする作用があるので、勉強の合間にジョギングやウォーキングをすることをおすすめします。適度な運動は脳の血流を良くするだけでなく、海馬の脳細胞を増やすことがわかっています。また、歩くという行為は、前頭葉の働きを活発にする効果を持っているので、適度な有酸素運動を取り入れることによって、脳全体を活性化させることができるのです。  何よりも、脳を活性化させることが記憶力アップにつながります。そのためには意識的に脳を使う必要があります。脳の老化を防止することができれば、いつまで経っても記憶力がにぶることがありません。そして、脳を新生させるポイントでもあるのです。  いかがでしたでしょうか?どれも決して難しい行為ではありません。今日から実践すれば、あなたの脳は新生するかもしれません。