昔から寝る子は育つと言いますよね。睡眠における研究や実験は世界のいたるところで行われているわけですが、やはり睡眠は人間にとっては欠かせないものだと思います。睡眠不足になると、集中力が欠如しますし、勉強どころではなくなってしまうことでしょう。  経験がある人もいると思いますが、徹夜をして学校に行くと、とにかく辛いはずです。常に眠気が自分を襲い、とても授業どころじゃないと思います。人間にとって睡眠は絶対に必要なものであり、人間は睡魔に勝つことはほぼ不可能です。  言ってみれば、睡魔というものは脳からのサインだと思います。そんな睡眠における新たな研究が行われ、興味深い結果が発表されたようです。一体どんな結果になったのでしょうか?詳しく解説していきたいと思います。  東北大の滝靖之教授らの研究チームの発表によると、睡眠時間の長い子供ほど、記憶や感情に関わる脳の部位「海馬」の体積が大きいことがわかったようです。この研究成果はすでに名古屋市で開かれる日本神経科学大会で発表されています。  これは驚きですね。昔の言葉や言い伝えというものは、信ぴょう性が高いものが多いだけに、「寝る子が育つ」という言葉も間違いではないようです。海馬の体積が大きいというのは、一体どういうことなのでしょうか?  今回の研究によって、うつ病や高齢者のアルツハイマー病患者のほとんどが、海馬の体積が小さいことが判明したそうです。滝教授は「子供のころの生活習慣を改善することで健康な脳を築ける可能性がある」とコメントしています。  ということは、子供のころに乱れた生活習慣をしていると、大人になった時に少なからず脳というよりも、海馬に影響があるということなのでしょう。良質な睡眠、そして規則正しい生活をしてきた子供は、記憶力なども高いのかもしれません。もっとも海馬の体積に違いが出ているところを見ると、これは明らかに成長度合いによる変化だと思います。  そのため、小さなお子さんを抱える親御さんとしては、規則正しい生活習慣を身につけさせることが大切になるのではないでしょうか。今回の成果を発表した研究チームは、平成20年からの4年間、健康な5~18歳の290人の平日の睡眠時間と海馬の体積を調査してきたそうです。  特に注目すべきポイントは、睡眠が10時間以上の子供は6時間の子供より、海馬の体積が1割程度大きいことが判明したということだと思います。これはびっくりしますよね。さすがに10時間以上は寝すぎでは?と思ってしまうものですが、子供からすれば、10時間以上寝る行為は必ずしも悪くないのかもしれません。  子供にとって6時間という睡眠は少なすぎるのかもしれません。ということは、小さい子供は寝たいだけ寝かせてあげた方がいいということなのでしょうか。この研究のその先がもっと知りたいものですね。  滝教授は東日本大震災後、宮城県内の被災者の健康状況も調査しているほどで、「十分な睡眠を取れずストレスを感じたことが、子供の脳にどう影響を与えるか見ていかなければ」とコメントしています。  確かに地震が子供たちに与えた影響は計り知れないものだと思います。睡眠と海馬の関連性が今後少しずつ明らかになっていくのかもしれません。あなたは睡眠と海馬の関連性についてどう思っていますか?ここまでの結果を見てしまうと、信じずにはいられないと思います。  いずれにしても、親御さんは小さなお子さんはできるだけ早く寝かしたほうがいいと思います。赤ちゃんは寝るのが仕事と言いますが、もしかすると睡眠によって、育てられるものもたくさんあるのかもしれません。