“皆さんは2種類の記憶があることをご存知でしょうか?記憶と聞くと、1つのものとして考えてしまうのが普通ですが、実は記憶には短期記憶と長期記憶と呼ばれるものがあります。これらを正しく理解することで、暗記に役立ちますし、学習効率がアップするかもしれません。 脳のメカニズムを知って、少しでも受験対策などに役立ててください。今回は短期記憶と長期記憶について詳しく解説していきたいと思います。  1:短期記憶と長期記憶について前述しましたが、記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。言ってみれば、これらは2つの貯蔵庫として考えることができます。それではそれぞれがどのような違いを持っているのかをご紹介していきます。 人間は何か新しい情報が頭に入力されると、その情報は無条件に短期記憶として蓄えられることになります。ただし、短期記憶の貯蔵庫は長期間、情報を保存することができません。短期記憶は、あくまで一時的な情報保存しかできず、容量が小さい特徴を持っています。パソコンのパーツで言えば、メモリーが該当します。そして、短期記憶の貯蔵庫にインプットされているレベルの情報では、すぐに忘れてしまうのが一般的です。 一方の長期記憶に情報が貯蔵されると容易に忘れることはなくなります。また、膨大な量の情報をストックできる特徴を持っています。パソコンのパーツで言えば、ハードディスクが該当するでしょう。その容量は人によってさまざまと言われていますが、多い人では1000兆項目にもなり、それを計算出来る人もいると言います。長期記憶は「記憶の海」とも呼ばれるほどで、?何か重要な情報をストックするためには欠かせない存在です。 人間は自分の歴史を重ねていくことによって、多くの情報を長期記憶として貯蔵することができるとされています。そして、必要な情報を長期記憶から引き出している生物であると考えられているのです。 つまり、学習における脳の使い方としては、いかにして長期記憶に知識をストックできるかが鍵になるということです。それでは、長期記憶に情報を以降させるためにはどうしたらいいのでしょうか。   2:長期記憶に情報をストックさせるためには?誰でも覚えたことは長期記憶にストックさせたいものです。情報を長期的に保存することができれば、いつでも自在にストックした情報を思い出すことができます。いわゆる、脳に情報を定着させるためには、短期の貯蔵庫から長期の貯蔵庫に移す作業が必要になります。 

長期記憶へ情報を移行させるためには、短期記憶を介して固定をしなければなりません。

そのために必要なことは、いかにして理解して覚えるかが重要になってきます。たとえば、

自身が何かの問題の方程式や仕組みについてわかったとき、「なるほど、だからこういった答え

になるのか」といったように理屈で覚えることが鍵となります。

このような覚え方になれば、情報は長期記憶に保存されることになり、いつまでたっても忘れず

にストックすることができるのです。一方で、意味も分からず丸暗記しても、それは長期記憶に

移行されることはありません。あくまで短期記憶止まりになってしまうのです。たとえその場では

覚えたつもりでも、脳は嘘をつきません。思い込むのではなく、しっかりと脳における記憶への

働きかけを意識して、長期保存庫に移行することが大切です。

   3:海馬が長期記憶の鍵を握っている海馬自体は長期記憶を好まないのですが、なにか鮮烈なできごとがあると、長期記憶に持っていくように働きかけるのです。いずれにしても、記憶に残りやすいことは、経験上多くの人が知っているわけです。つまり、海馬が受ける刺激が強いほど長期記憶になりやすいことがわかっています。 また、海馬に蓄積された記憶を何度も出し入れすることで、記憶が定着しやすくなると考えられているようです。勉強で言えば、何かを覚えたら、その知識を出すために問題を解くということが該当します。覚えては問題を解きといった行為を繰り返していれば、自然と記憶は定着するものと考えられます。”””