脳は主に本能のもとに働きます。つまり、モチベーションを維持するためには脳を理解することが大切になってきます。学習効率を上げるにしても、気分転換でリフレッシュするにしても、脳がそういう状態でないと期待できないことがあります。  そこで今回は、脳のモチベーションを維持する方法をご紹介したいと思います。まずは脳そのものを理解して、学習に役立ててみてください。思わぬ効果があるかもしれません。  そもそも脳には「生きるための本能」「知るための本能」「仲間をつくるための本能」といったように、3つの根源的な本能を持っていることがわかっています。この3つの本能はとても強い影響力を持っているため、あえてそれに逆らう行為を行おうとすると、脳の機能は大きく低下してしまうことになります。つまり、脳全体のパフォーマンスが下がってしまうわけです。  脳の機能が急激に落ちてしまっては、学習だけでなく、その他の行動にも悪影響となってしまいます。もっとも学習において気をつけたいポイントは、「ライバル」を作ってしまう行為です。これは「敵に勝つ」という概念を芽生えさせてしまうため、脳が持っている本能のひとつである「仲間になりたい」という概念を真っ向から否定してしまうことになります。  ややスケールが大きな話になってしまいますが、地球の歴史の中では多くの生物が絶滅しています。その理由は、絶滅した生物ほど、周囲にいる仲間とうまくやっていけなかった、あるいは連携をとる行為をしなかったことが原因だと言われているのです。そのため、ライバルを置くという行為はあまりいいものではないのです。  脳のモチベーションを低下させるだけでなく、学習効率も自然と低下させてしまう原因になりかねません。では、あなたにとっての目標、もしくはライバルにある立場の人たちのことをどのように認識すればいいのでしょうか。脳のパフォーマンス、そしてモチベーションをしっかりと保つためにも、あなたがライバルだと思っている人々をライバルだと思わずに、自分を高めるためのツールだと思うことが大切です。  そして、脳は目標間近になると集中力が低下するようにできています。そのため、もう少しで目標を達成できるところまできたなら、ここが最後と思い込まずに完璧に仕上げてやる!という気持ちを持つことが大切です。ゴールが見えると、安心感が生まれるため、怠けてしまう可能性もあります。いずれにしても、ライバルとしてみるのではなく、仲間として見ることが大切です。  実際にライバル視をせずに仲間として学習した場合、あなたが望むような結果が期待できると思います。大切なことは、できるだけ脳の本能を尊重し、邪魔をしないように工夫しながら学習することが何よりのポイントとなるわけです。脳に逆らうようなやり方をしても、脳はそれを覚えようとはしないのです。  結果を求める行為は時として、脳の本能を無視する行為になります。結果として能力を発揮できない状態になりますので、愚を避けることに集中したほうがいいでしょう。結論を言うと、目標達成の「仕方」にこだわることで、学習効率はいくらでも高めることができるということです。  ここで多くの人が「勝負」という意識を持ってしまうため、それに懸けるかのような行為をしてしまいます。勝負を懸けるのであれば、それはライバルにするのではなくて、達成の仕方に勝負を懸けることが大切になります。そうすることで、いっさい損得抜きで学習することができるはずです。  結果を求めるという行為を避けて、達成の仕方にこだわることができれば、人間は信じられない集中力を発揮すると言われています。損得を気にしてしまうがために、邪念が生まれるのでしょう。