変わりゆく大学生・・・1日平均勉強時間39分という現状
驚くべきニュースが飛び込んできました。2012年に、大学生の一日の学習時間はどのくらいなのか?全国の国公立と私立合わせ30校の学生(およそ8600人)を調査したところ、講義以外での勉強時間は一日平均で「39分」であることが判明しました。これはどう見ても、勉強時間が不足していることが分かります。 学年による勉強時間の違いNHKニュースの報道では、分野別での勉強時間を調査したところ、一日平均で文系が28.4分、理系は48.3分となっているようです。いずれにしても、1時間も勉強していない大学生が急増していることが判明しています。これは日本の学力低下につながるのではないかと多くの意見が飛び交っている状態です。 さらに追い討ちをかけるように1週間の学習時間がゼロ・・・というニュースも入ってきています。そのニュースの内容によると、1年生:7.6%、2年生:10.2%、3年生:11.7%、4年生:12.8%と学年が上がるにつれ増えていきますが、それはやはり卒業するための勉強でしかないことが分かります。また、多くの大学卒論を書く必要があるので、自然と勉強時間が増えているだけでしょう。 勉強時間が大学生に無い理由単純に勉強が嫌いで学習時間が低下しているわけではなく、就職活動に追われ学習時間が少なくなる傾向があるとNHKが報じています。大学生の勉強時間が少ないというデータは他にもあり、日本の大学生の勉強時間の平均は、1日4.6時間(授業を含む)だそうです。ここで注目してもらいたいのは、授業も含んで4.6時間であるということ。これは明らかに勉強時間が少なすぎますね。 そのほかにも、自主的な予習・復習が少ないことが2012年大学生協連調べでわかっています。では、学校での授業以外に週何時間勉強しているのでしょうか?この調査で分かったのは、全体平均で週に7.2時間ということ。つまり、1日1時間程度の勉強しかしていないことになります。新たな調査では、勉強時間が5時間以下と答えた学生が約半数の44.5%、勉強していないと答えた人は全体の10.0%だったそうです。 海外とは違う日本の大学生たちちなみにどんなことを勉強しているか?という問には、「大学・大学院での履修・研究分野」(74.4%)、「語学」(40.0%)、「資格取得」(39.2%)となっていたそうです。大学を卒業するためには、総卒業単位(124単位)を取得する必要があるため、少なくとも1日8時間程度勉強しなくては合格できない計算になります。これが影響して留年する学生が増えているのかもしれません。 日本の大学生が勉強する時間は、国際基準の半分程度しかないことも明らかになっているだけにちょっと深刻な問題かもしれません。では、海外の大学生の勉強時間はどのようになっているのでしょうか? アメリカの大学生の場合、授業に関連する自主学習を週11時間以上していると答えた学生が58%にも及びました。ちなみにアメリカの場合、1年生から宿題が多く出され、学年が上がるにつれて講義のレベルが上がり、課題の難しさや量も増えていくようになっています。つまり、十分な勉強をしないと確実に落第するシステムになっているため、自然と勉強時間は増えていくとのこと。 これに対して日本の大学生は、授業に関連する自主学習を週11時間以上している学生がたったの14%であり、アメリカと比べると4倍の格差があります。また、アメリカの大学生との勉強時間の差を年間換算すると約250時間になることがわかっています。 海外からみて、日本の大学教育の評価が低い原因は、まさに日本の大学生が勉強をしないためかもしれません。