受験生のなかには、模試を怖がってしまう人もいます。模試を受ければ自分の実力の程度がはっきりしてしまうため、それを怖がるのです。そういう人は、「まだ模試を受けるほどの段階ではない」と言って模試を受けないことがあります。「それよりも、もっと単語を覚えた方がいい」などと言ったりします。つまり、自分の現状を確かめる勇気がないということです。 しかし現実を知ることを先延ばしにしてしまうと、自分の学力レベルが分からないので結局受験が迫ってくると困ったことになります。こういった人々には、プライドの高すぎる人が多いのです。悪い点を取って自分が傷つくことに耐えられないタイプです。また、ラクな方向に逃げているという点においては、弱虫な人間であるともいえます。 テストで悪い点を取ることは、確かに楽しいものではありません。それに、特定の大学模試を受けて悪い点を取ると、もうその大学に入れないのではないか?という不安も出てきます。模試の後で一緒に試験を受けた友人と答え合わせをしたら、自分の間違った箇所がたくさんあることに気づいたりします。その場合は、とりわけ自信をなくしてしまうこともあるでしょう。 でも、模試を意味もなく恐れてしまってはいけません。模試は、実際の試験と同じような形式で受けるものであり、受ければ自分の実力がそのまま現れます。現在の自分の学力をはっきりと知るためにはうってつけなのが模試です。 この模試の結果には、あまり一喜一憂しなくてもいいでしょう。模試の点数が悪くても、別に実際の大学入試には何も関係ないのですから。それに、模試でA判定であっても大学には不合格だった例はそれこそ山ほどあります。その反対に、E判定でもその直後の試験で合格したという人も山ほどいます。これは、試験というものが時の運も関係してくるものだからでしょう。 実は模試を怖がる人ほど、模試の成績が良いと有頂天になりやすいです。自分の行きたい大学には絶対に入れると思い込むのです。しかし、模試はしょせん模試であるということを覚えておきましょう。大体、模試と同じ問題は実際の試験では出ないことが多いです。だから、模試で点数が良ければ、もうこんなに良いツキはまわってこないかもしれないと気分を引き締めるぐらいのほうがいいのです。 何故なら、模試は実際の試験とは違うからです。ただし、試験会場という場所に慣れるためや、自分の学力の弱点をつかむためには必要でしょう。これからどのように勉強をしていけばいいのかを探る手段となります。だから、やはり模試を怖がらずになるべく早い段階で受けたほうがいいですね。その結果はあまり気にする必要はありません。結果が良ければ自信を持つ材料にするだけです。 もし結果が悪ければ、自分の弱点をその機会にしっかりと把握しましょう。模試の結果を生かして苦手な分野を克服できるように努力してください。大体、模試の結果は良かったり悪かったりとバラつきがあります。実際の試験でも、調子の良い時や悪い時があるでしょう。自分の得意な問題が出れば点数が良くなり、苦手な問題が出れば悪い点数になります。模試を受けることには、そうした事情を知るという目的もあります。 つまり、本番の試験を受ける時と同じような雰囲気を体感することで、度胸をつけることも目的の一つです。模試を受ける価値は、そうしたところにも存在します。だから、模試を必要以上に怖れずに積極的に受けるようにしましょう。