公立中高一貫校では作文の出題が多いほとんどの公立中高一貫校では、入試において「適性検査」とともに「作文」が出題されます。学力試験のない公立中高一貫校では、受検生(公立中高一貫校の入試は「試験」ではなく「検査」と呼ばれるため、あえて「検」の字を用います)の学力を測る手段として作文は非常に重要なのです。  作文の出題傾向公立中高一貫校入試の作文の傾向は学校ごとにかなり異なり、作文と適性検査を分けて出題する学校、適性検査の問題の中で作文を書かせるものなどがあります。字数制限としては150~200字ぐらいのものと400字前後のものが多いようです。  また、東京都立各校の問題のように、まず課題文を読ませ、筆者の主張や本文の内容をまとめさせる問題があり、その後で作文を出題するといったパターンも多くみられます。出題される問題としては、身近な問題について解決策を書かせるもの、課題文をもとに自分の考えや主張を述べさせるものなどがあります。  自分の受検校のパターンを確認しようでは、どのように対策を立てていけばよいのでしょうか?私立中と異なり、公立中高一貫校どうしの併願は基本的に存在しません。よって、まずは自分の受検校で過去出題されている問題を見て傾向をしっかりつかみましょう。学校によってある程度、字数や出題パターンが決まっていますので、それに合わせた対策をとるのが一般的です。たとえば、自分の受検校が課題文型の作文を出題しているなら課題文型の練習に集中する、といった具合です。  添削してもらいながら少しずつ上達していこう作文の練習は、どのようにしていけばよいのでしょうか。これには「表現」「内容」の両面からのアプローチが必要です。まず、表現の面です。作文なので、小学校で習ったように原稿用紙の正しい使い方に従って書けるようにしましょう。次に、小学校で習った漢字をきちんと使うこと、「だけど」「しゃべる」といった話し言葉を使わないこと、主語・述語や「てにをは」が正しくつながった、日本語として自然な文を書くことなどももちろん重要です。大人であれば何でもないことかもしれませんが、作文を書き慣れていない小学生にとっては簡単なことではありません。まずは簡単な作文をたくさん書きながら、これらの点について添削を受け、正しい文が書けるようにトレーニングを積んでいきましょう。  一方、内容面ですが、こちらは書きやすい展開パターンを身につけるとよいでしょう。中でも出題も多く応用もしやすいのは『身近な例をもとにする』パターンです。まず、課せられたテーマに関連する体験や事例などを思い浮かべます。それらをあまり長くならないように注意しながら書き出し、その後段落を変えて結論につなげましょう。「体験・事例→結論」または「結論→体験・事例→結論」という流れがつくれるようになるだけで、かなり書きやすくなるはずです。こちらも、書いた文を先生や身近な大人に読んでもらい、流れが不自然ではないか、体験や事例と結論がきちんとつながっているかなどを添削してもらいながら、よりよい作文が書けるよう練習を積んでいきましょう。