公立中高一貫校入試 適性検査の傾向と対策
公立中高一貫校の「適性検査」って?近年人気の公立中高一貫校。国私立中との大きな違いのひとつが入試です。国私立中の入試は小学校のカリキュラムを完全に超えた内容から出題され、中学校、ときには高校で学ぶような内容が当たり前のように出てきます。それに対し、公立中高一貫校の入試では学力試験は行われません。代わりに実施されるのが「適性検査」です。小学校で学ぶ内容をもとに、公立中高一貫校で学ぶ上で必要な力が試されます。出題範囲は小学校の学習指導要領を超えないのが特徴ですが、だからといって簡単というわけではなく、問題は非常に工夫をこらしたものとなっています。 適性検査の出題傾向もう少し詳しく適性検査について見ていきましょう。公立中高一貫校は「社会に出て役に立つ人物の育成を目指すこと」をうたっている場合が多いため、適性検査では『問題解決能力』が試されます。具体的には、『遠足のコースを考える』『行事の計画を立てる』『ある活動中に起きた問題にリーダーとして対処する』など、小学生が経験しそうな事例を素材として、問題点を把握し解決法を答えさせるものが多くなっています。またその中で、あるいは別の大問として①計算力・空間認識能力など算数の問題②実験・観察をもとにした理科の問題③資料の読み取りを含めた社会科的問題④ことばの知識を試す問題といった事項も出題されます。 つまり、「学力試験がない」とは言いながらも、実質的にはきちんとした基礎学力が必要とされています。なので、小学校で習う事項をきちんと身につけておく必要があります。そして、実際の問題を見ていただくとお分かりいただけるのですが、非常に記述式が多いのも適性検査の特徴です。たとえば、計算で答えを求める問題では、ただ答えを書かせるのではなく、広い解答欄を与えて答えを導いた過程や考え方などを書かせるものが主流のため、しっかりとした記述力も求められます。 国私立中同様、しっかりとした対策が必要まとめると、公立中高一貫校の適性検査では①小学校レベルの学力②それを使って問題解決を行う能力③筋道を立てて考える論理的思考力④考えたことを文章で表現する力などが必要とされます。通常の小学校のカリキュラムだけでは、こうした力を十分に身につけるのは難しく、したがって事前準備が必要となります。近年は適性検査の過去問に加え、適性検査対策のための問題集が数多く出版されています。まずは受検する学校の過去問を見て、どのような問題が出されているかを確認しましょう。その上で数多くの問題を解き、十分に慣れておくのがよいでしょう。