水族館を支える、水族館飼育員水族館で会えるさまざまな生き物たち。その世話をしているのが飼育員です。イルカやアシカのショーでは、生き物たちと一緒に観客の目を楽しませてくれます。また館内では、深い知識に基づいて生き物の生態を紹介し、見るだけではわからない彼らの魅力を伝えてくれます。しかし、こうした仕事は、水族館飼育員の仕事の一部にすぎません。生き物の日々の世話ももちろん飼育員の仕事です。魚はもちろんのこと、イカやタコ、ウミガメ、そしてアシカやイルカといったほ乳類に至るまで、世話をする生き物の種類は多種多様。餌やりや体調管理、水槽の水質チェック……生き物に適した環境を保ち、多くの生き物と出会える水族館は、来館者が目にすることのない地道な仕事の積み重ねに支えられています。  水族館飼育員のやりがいって?ここまで読んで「水族館飼育員って地味な仕事だなぁ」と思った人もいるのではないでしょうか。水族館だけでなく、生き物を飼育する仕事には日々の地道な作業が求められます。半端な気持ちでできる仕事ではありません。しかし、「魚や水生生物が大好きで、一生生き物と関わっていたい!」という人には、非常にやりがいのある仕事です。好きな生き物と年中関わることができるのはもちろん、自宅では飼えない珍しい生き物や大きな生き物の世話もできます。そして、日々の世話の中で、担当する生き物の生態を深く知り、研究していくことができるのも見逃せません。水族館の生き物の中には、生態がまだ明らかになっていないものも多数存在します。そうした生き物の未知の生態を研究し明らかにしていくことができるのも水族館飼育員ならではです。日々の世話の中で生き物と深く関わり、その生態を研究し続けているからこそ、飼育員は水族館の来館者に生き物の魅力を伝えることができるのです。  水族館飼育員になるには?水族館飼育員になるには、飼育員として働くための知識を身につけておく必要があります。具体的には、大学で海洋学・生物学・水産学・獣医学などを学ぶか、あるいは飼育員の養成コースのある専門学校に通うことになります。しかし、職場となる水族館は日本にそう多くはありません。しかも新規採用が行われることは少なく、欠員が出た場合の補充としての募集がほとんどです。大学に残って研究を続けるなどの道も考えながら、粘り強く就職活動をしていかなければなりません。それでも、飼育員でなければ味わえない、生き物の魅力や素晴らしさが水族館にはあります。魚や水生生物が本気で好きだ! という人は、ぜひ挑戦していただきたい職業です。