日本語教師のニーズ……日本語を学ぶ外国人の増加日本や日本文化への憧れを持つ外国人が多いことをご存知でしょうか?京都や東京など日本の観光地には、毎年多くの外国人が訪れています。寿司や和食といった日本食も海外でブームとなり、世界各地につくられた日本食レストランが現地の人の舌を楽しませています。さらに、日本のアニメやゲームなどのサブカルチャーも海外で大人気。日本発のアニメは様々な言語に翻訳され、各国で放映されています。こうした日本文化の広まりとともに、日本語を学ぶ外国人の数も増加しています。また、経済のグローバル化が進むにつれて、ビジネス上の必要性から日本語を学ぶという人も増えています。国際交流基金の調査によると、2012年現在の海外の日本語学習者数はなんと398万人。しかも、2009年からの3年間で30万人以上も増加しています。そして海外で日本語教育を行う機関の数も16000を超えました。そこで注目されるのが、外国人に日本語や日本文化について教える日本語教師という仕事です。通常の教員とはちょっと違う、日本語教師という仕事について紹介しましょう。  日本語教師の仕事日本語教師は、その名の通り日本語を教える教師です。しかしそれだけではなく、生徒が関心を持ち、また日本語が生まれる母体ともなっている日本文化や日本社会についても教えていきます。私たち日本人が英語を学ぶときには、英語をより理解するために、アメリカやイギリスといった英語圏の国々の文化や習慣についても学びます。それと同じように、外国人が日本語を学ぶ際も、世界のどの国とも違う文化や習慣をもつ日本という国について学ぶことで、日本語という言語をより理解することができるのです。  日本語教師の活躍の舞台日本語教師は国内でも海外でもできる仕事です。国内では、留学生に対し大学で日本語を教える、民間の日本語学校で働く、あるいは個人で身近な外国人に教える、といった場合が考えられます。一方、海外では、現地の大学の日本語学科や日本人学校などで日本語教師が活躍しています。  日本語教師になるには実は、一般の教職と異なり、『日本語教師』という免許は存在しません。日本語教育機関で日本語教師になるには、以下に挙げる3つの方法があります。1つ目は、大学の教育学部日本語教育学科や外国語学部日本語学科といった、日本語教師に対応したプログラムのある学科に進むという方法です。卒業まで4年かかりますが、大学を卒業すれば日本語教師になる要件を満たすことができるだけでなく、日本語教師として教える上での専門知識や教授法などを学ぶことができるので、日本語教師を一生の仕事にしたいと考えているのであればおすすめです。また、大学で必要な科目を履修すれば国語科の教員免許を取得できるのもメリットです。なお、大学で日本語教師になる場合には大学院を卒業していることが求められるようです。2つ目は、日本語教育能力検定試験に合格するという方法です。日本語の運用・日本社会や文化・日本語教育に関する知識など、日本語教師として求められる能力が試されます。年齢や学歴の制限はなく、誰でも受けられるのですが、合格には相応の学習が必要です。そして3つ目の方法が、日本語教師養成講座を受講して420時間の授業課程を修了することです。この方法では外語専門学校に通う、あるいは通信講座を受講することになりますが、比較的短期間で修了できるのが特徴です。ただし、講座を開いている学校によって内容がかなり異なるので、実践的スキル指導や修了後のサポートなど、よく比較して選ぶ必要があります。