例題を飛ばしていませんか?問題集を解いていて、例題を飛ばす人をよく見かけます。確かに、例題にはほとんどの場合、問題だけでなく解き方や答えも書いてあり、空欄がないので解く必要性を感じません。そのため、普段学校や塾などの課題として問題集を解くときには、例題はどうしても飛ばされがちです。しかし、これは非常にもったいないことです。難関校、特に難関大学に合格できた生徒を見ていると、しっかりと例題を解き込んでいます。彼らは例題を解くことで力をつけ、合格を果たしたのです。例題を解くことは、そんなに重要なことなのでしょうか?  なぜ例題が載せてあるのか?そもそも、問題集にはなぜ例題が載せてあるのでしょうか。例題は、各単元の中でも重要かつ代表的なポイントについて作られています。そして、ほとんどの場合、例題の後には、それと似たような形式の問題が載っています。いわゆる『類題』です。類題は例題と同じ、あるいは近い解き方で解けるものが採用されるので、例題の解き方をまねれば類題も解けるはずです。つまり、例題は類題への導入をスムーズにするために存在しているのです。  例題の解き方はとっても重要!ここで注目したいのは、例題の『解き方』です。単純な計算問題ならまだしも、ある程度ステップを踏んで答えていく必要がある問題では、答えだけでなくそこに至る流れも重要視されます。高校生なら、数学の問題に部分点があることは知っているでしょう。たとえ最後の答えが間違っていても、途中経過が合っていれば部分点がもらえます。そのため高校数学においては、きちんと解答に至る過程を記述することが重要です。これは高校数学以外にも当てはまります。ステップを踏んで答えを導き出していかなければならない問題では、そのステップを正しく踏めるかが重要になります。そのため、例題の解き方をきちんとマスターしていくことが必要です。正しい解き方ができれば、自然と正答にもたどり着きやすくなり、応用問題にも対応できる力が身についてきます。  記述式入試問題を制覇したいなら、まず例題を制覇しようよく「数学は暗記科目だ」という話を耳にします。端的にいえば、例題を暗記するぐらいやり込むことができれば数学力が身につく、ということを意味していますが、これはあながち間違いではありません。上でも述べたように、数学の答案では解答だけでなく流れも重視されるので、問題を見て「これはあの例題と同じパターンが使える」と判断し、そのパターンに当てはめて解法のプロセスを記述していけば、自然と得点が伸びやすくなります。入試では、満点をとる必要は必ずしもありません。部分点を積み重ねていくだけでも合格点を超えることは十分可能です。そのため、例題を飛ばすのではなく、むしろ例題をひとつひとつ丹念にマスターしていくことは、あなたにとって必ずプラスになります。記述式答案が必要な人は、例題を理解できるまで何度も解き、解法パターンを習得していきましょう。一見時間はかかりますが、それが記述式の入試問題制覇への近道です。