私立高校入試の英語は、中学レベルを超える中学3年生になると、志望校に合わせた入試対策をしなければなりません。その中心になるのが志望校の過去問です。公立高校の場合は自校作成問題を除いて各都県内共通の問題ですが、国私立高校は学校ごとに問題が異なります。そして、公立高校は学習指導要領の制限があるので、出題されるのは中学校の教科書で習う範囲の事項に限定されますが、私立高校にはその制限がありません。実際に私立高校の入試問題を見てもらえば分かると思いますが、「何これ?」と思わされる問題が非常に多く出題されています。特にやっかいなのは英語です。英語は中学校での学習範囲が狭いので、公立高校入試の英語はその狭い学習範囲のから『工夫して』出題されますが、私立高校の場合、中学校レベルを超えた出題をおこなうところもあります。つまり、中学校の授業で習うレベルの英語では私立高校入試の英語に対応しきれないのです。  実際にどんな問題が出題されるの?では、実際にどんな問題が出題されるのかを見てみましょう。まず、法政大学高で出題された単語の問題です。『the time after the present』という意味の単語を、『f』から始まる6文字で答えてください。分かりますか? 答えは『future』でした。『present』には『プレゼント、贈り物』という意味以外に『現在』という意味もあるのですが、中学校でお目にかかることはめったにありません。ではもう1問。こちらは中央大附高の問題です。「They are (  ) India. 」と「Wine is made (  ) grapes. 」に共通してあてはまる語を答えてください。こちらは『from』が答えとなります。『~(原料)からつくられる』という意味の『be made from ~ 』という熟語がポイントですが、これも中学校で習うことは少ないです。  難関私立を目指すなら、1ランク上の勉強が必要!このように、私立高校入試では中学校で習わない内容の問題がしばしば出題されます。しかし、いくら教科書レベルを超えた問題が出されるとはいえ、公立高校が第一志望の生徒にとっては、英語の入試対策だけに時間を使うわけにはいきません。忘れてはならないのは、入試は満点を目指すものではなく、合格に必要な点数を取ればいいということです。大方の私立高校であれば、中学校レベルの問題をきちんと解けていれば合格点に達することができるはずです。つまり、中学レベルの基礎をしっかり固めておけば大丈夫ということです。しかしながら、難関校となると話は別です。難関私立高校の入試では、さすがに中学レベルの知識だけだと苦戦します。塾や家庭教師の先生に志望校の出題傾向を見てもらった上で、特別なカリキュラムを組んでもらうのがおすすめです。そして、私立高の問題を数多く解き、出題のレベルやパターンに慣れていくのがよいでしょう。