国語の成績は、本を読みさえすれば上がるものではない国語の成績がよくない生徒と話をすると、読書をまったく、あるいはほとんどしていない生徒であることがほとんどです。一方、国語が得意な生徒にはやはり読書習慣が身についている傾向が強く、国語力と読書にはやはり強い関連性があることを認識させられます。では、読書をすれば、それだけで国語の成績が上がるのでしょうか。答えはノーです。ただ読書をするだけでは、なかなか成績には結びつかないのです。   点数に結びつきやすい読書とは?読書は、年単位の長期的な習慣として定着してはじめて効用が現れてきます。多くの文章を読み込むことで、長文に対する抵抗がなくなり、ことばの知識も増える上、文意をくみ取るセンスも磨かれてきます。長期的に見れば、間違いなく読書はあなたの国語力を伸ばしてくれます。しかしこれらの効用は、一朝一夕には得られません。そこで、とにかく早く国語の点数を上げたいという人は、読書にも工夫をするべきです。まず、知らない言葉が出てきたとき、面倒がらずに読みや意味を調べましょう。語彙力のアップは国語力を伸ばす上で避けて通れない課題です。次に、ひとつの文章を何度も繰り返し読むことです。初めて読むときは言葉の意味もよく分からず、読むことで精一杯になってしまいがちです。この状態では文章の内容を十分理解するのは困難でしょう。理解しないままの読書は、十分に文章を読んだ実感を得られないだけでなく、文章の内容を読み取るという最も重要なトレーニングができないままになってしまい、あまり意味を持ちません。言葉の読みや意味がわかった上で、同じ文章を2度、3度と読み込み、文章の内容を理解していくのです。そして、設問にされやすいポイントを意識した読書を心がけましょう。指示語が出てきたら、必ずどこを指しているのか確認しましょう。接続語を見つけた時は、文章の流れをつかみ、「前後で同じことを述べているから『つまり』が使われているのか」といったように、文章の流れによって接続語が決まってくることを確かめてください。また、小説や物語では、登場人物を確認した上で、文章の中から各人物の心情を読み取るよう意識したいものです。  小さな心がけを習慣化しようこうしたポイントは、そのまま国語の文章問題で狙われるポイントになります。問題を作成する側が狙うポイントに気づけるようになれば、解く際に必要な箇所をより正確に読み取ることができるので、読解問題の正解率を上げることができます。ポイントをつかむことを心がけながら読むことは、最初は簡単なことではありません。しかし、読書の際にこうした心がけを継続していれば、やがてそれが習慣となり、読解問題での得点力につながるのです。国語の成績を上げたいと思う人は、ぜひチャレンジしてみてください!