難関入試には、得意科目でのアドバンテージが必要いわゆる難関校の入試問題は、難問・奇問のほか、思考力や深い理解を問われる論述式問題が多く出題されます。そのため、点数が取りにくく、合格ラインをクリアするためにはそれなりの実力が要求されます。また、難関校の入試を受験する人はある程度勉強を積んできているので、易しい基本問題ではほとんどの人が正解し、点差がつきません。そこで必要になるのが、『ライバルが解けない問題を解ける』、つまり点差をつけられる得意科目です。難関校の入試では、他の人より点数を稼げる得意科目があるかどうかでかなり状況が変わってくるのです。  こんなときに活きてくる、得意科目入試の中でも、得意科目があると特に有利なのは国公立大の2次試験です。記述・論述式問題が中心で、きちんと勉強を積んでいなければ答案用紙を埋めるのも難しい、かなりハードな入試です。付け焼き刃の丸暗記では歯が立ちません。しかしその一方で、科目数は1~3科目がほとんど。その中に得意科目があるのとないのとでは大違いです。2次試験は記述式の解答力によってかなり差がつきやすいので、受験科目が得意科目中心になっていれば、センター試験で多少後れを取っても逆転できる可能性は高まります。一方、私立高の3科目入試や都立・県立難関公立高の独自作成問題でも、やはり得意科目のありなしは大きく影響します。こうした入試では、基本レベルの問題であれば満点近くを取れる実力者がそろいますが、難問が多数出題されるとさすがに平均点も下がります。平均点が下がれば、ライバルより高得点を取って差をつける余地も生まれてきます。教科書レベルを超えた難しい問題でもしっかり解くことができ高得点が狙える得意科目があれば、ライバルが解けない問題でアドバンテージを稼ぐことができ、より合格に近づきやすくなります。このような少科目・高難易度の入試を控えている人は、得意科目でしっかり点数が取れるよう、さらに実力をつけておくのがいいでしょう。  得意科目があると心理的にもプラス!また、得意科目があると心理的にも余裕を保ちやすくなります。受験直前期になると、どうしても受験生は気持ちが追い込まれやすくなりますが、「全科目勉強しないといけない」と思うよりも、「数学は得意だから、あとは苦手な英語に集中しよう」と思えるほうが、はるかに楽な気分で勉強に向かうことができます。あるいは、苦手な科目を勉強した後に得意科目を勉強し、気分転換を図るという方法もあります。こうした心理的な面からも、得意科目があることのメリットは大きいといえます。「この科目は絶対の自信がある!」と言える得意科目を、最低でも1つは持ちたいものです。