自分の部屋があるのに勉強に集中できない……その理由は?「家で勉強ができない」という悩みを持つ子どもは多いのですが、話を聞いてみると大きく2つのタイプに分かれます。1つは、家の中に自分専用の部屋がなく、しかも他の家族(特に小さな弟・妹)の影響で集中力をそがれてしまうタイプ。そしてもう1つは、自分の部屋を持っているのに勉強に集中できないというタイプです。前者は家庭内の要因が絡むため単純な解決は難しいと思われますが、問題は後者のタイプ。自分の勉強に集中できる環境を与えられているにも関わらず、彼ら・彼女らは一様に「家では勉強する気にならない」と口をそろえます。では、家で勉強できない子どもたちの勉強部屋にはどんな問題が潜んでいるのでしょうか。その答えは、『室内に誘惑が多すぎること』です。   部屋の中は誘惑がいっぱい!勉強部屋になるはずの子どもの部屋は、ほとんどの場合、誘惑になるものであふれかえっています。テレビ、パソコン、携帯電話、マンガ、ゲーム機……どれも、一度手をつけてしまったら、すぐに1時間、ひどいときには何時間もの時間をとられてしまうものです。特に問題なのはパソコンと携帯電話。先ごろ、『ネット依存症』に陥っていると思われる子どもが50万人を超えるとの推計が厚生労働省から発表されましたが、パソコンとスマートフォンの普及により、今や子どもがネットに接続できるのは当たり前となりました。『依存症』の名のとおり、いったん依存状態になってしまうと、アルコール依存症などと同じく自分の意志だけではどうにもならなくなってしまいます。ネット環境を子どもの自主管理に任せておくのは、あまりに危険なのです。   勉強する!と決めた時から部屋を『勉強モード』へ こうした『勉強できない部屋』を『勉強モードになれる部屋』に切り替える方法はただ一つ。誘惑になるものをできる限り部屋から取り払ってしまうことです。もちろん自分の楽しみを突然部屋からなくすというのはなかなか難しいことでしょう。そこでおすすめなのが、何かのきっかけを利用して一気に片付けてしまうという方法です。たとえば、成績が下がって、このままではまずいと先生に言われたときや、志望校が決まりやる気になっているとき、あるいは年に1度の大掃除のときなどがよいきっかけとなるでしょう。もちろん、この文章を読んだ直後に実行できたら最高ですが……。部屋を整理整頓し、パソコンは親の目が届くところに置き、マンガやゲーム機は目に見えない場所へしまい込むか売ってしまう。携帯電話も、勉強時間になったら家族に預けるという習慣をつけるべきです。まずは、とにかく部屋から誘惑を除去し、勉強するしかない状態をつくること。意志が弱い人は、最初はなかなか集中できないでしょうが、慣れてしまえば自然と勉強をする習慣がつきます。勉強部屋の『断捨離』、やるなら今でしょ!