大学入試で最も早く合格が決まる『指定校推薦』大学入試における受験制度の中に、私立大学や一部の公立大学が設けている『指定校推薦』というものがあります。これは、大学側が特定の高校に対し推薦基準を指定し、それを満たす生徒に対し特別に合格枠を設ける推薦入試です。枠を与えられた高校では、受験を希望する生徒が定員をオーバーしていれば校内審査を行って選抜し、上位の生徒を大学側に推薦します。もし希望した生徒の数が定員枠以内だった場合は、推薦基準を満たしていればそのまま推薦されます。そして、大学で面接などの試験を受け、問題がなければ合格の内定が出されます。  指定校推薦のメリット指定校推薦はほとんどの場合私立大学にしかありませんが、当初から私立大学を第一志望にしている受験生にとっては非常にメリットが多い受験制度です。もし第一志望校が指定校推薦で受験可能なら、利用しない手はありません。1つ目のメリットは、合格内定が出るのが非常に早い点です。必要なのは高1から高3の1学期までの成績で、2学期の早い時期に校内会議が開かれて推薦可能かどうか決定されます。そしてひとたび校内で推薦されることが決定すれば、面接などの大学の独自試験で不合格となることはほとんどありません。つまり、校内選抜通過=合格内定といっても過言ではないのです。内定後大学側から課題が出されることもありますが、それでも合格を懸けた受験勉強のプレッシャーからは解放されるので、内定が取れれば非常に負担が軽くなります。年末年始、一般の受験生のように目の色を変えて入試問題集と向き合う必要もありません。もう一つの大きなメリットは、『コツコツ型』に有利だという点です。毎日の予習復習ができ、学校の定期テストでもがんばる、高校時代にコツコツと努力をしてきた生徒が得をするのです。これは大学の一般入試へのアプローチとは全く異なります。大学の一般入試では高校の成績は関係ないので、極端にいえば学校の成績は赤点スレスレでも入試当日に点数が取れれば合格しますが、こうした生徒は指定校推薦には向きません。日頃から学校の授業や定期テストを大切にする努力型の生徒が高3になって報われるのが、指定校推薦という制度なのです。  指定校推薦を狙うなら高1から!指定校推薦を利用するにあたって最大の関門になるのが学校の成績です。高1や高2の成績がよくないと、高3だけがんばっても推薦基準に届きません。高1のうちから高い成績を維持しておく必要があります。しかも、すべての科目の成績が対象になるので、副教科も重要です。学校によって必要な成績はかなり異なりますが、各科目とも5段階評定で5を取るつもりで臨みましょう。なお、指定校推薦の枠を自分の高校がどの程度持っているかは高校に確認しないとわかりません。大学進学がほとんど指定校推薦という高校は積極的に推薦枠のある大学を教えてくれる傾向にありますが、逆に国立大学進学を目指す高校では、国立大学進学が不可能となる指定校推薦をあまり使わせたがらないようです。指定校推薦を目指す場合は、こういった事情にも注意しつつ、早めに情報収集をしながら高い成績を維持するよう努力していきましょう。