ゆとり教育の終了とともに増えた予習量ゆとり教育の終了により、教科書も以前と比べて分量が増え、それにともなって必要な予習量も増加しています。特に英語や国語は、本文の訳や単語の意味調べ、文法の確認などやるべきことが多いので、生徒にかかる負担もかなりのもの。毎日予習に追われて自分の時間がとれない、という人も多いのではないでしょうか。予習の目的、見失っていませんか?こうした状況では、予習は『やっつけ仕事』になりやすいものです。つまり、目の前の予習を終わらせることにばかり気を取られ、『何のために』予習をするのかを忘れてしまうのです。しかし、予習には重要な目的があります。それを理解しているのといないのとでは、あなたの学力の伸びには確実に違いが出てきます。予習の真の目的とは?進学を目指す上で忘れてはいけないのは、教科書の文章は入試にそのまま出てくるわけではないということです。つまり、教科書の文章を完全に理解するのが最終目標ではないということ。入試で初めて目にする文章をその場で読み解き、問題に答えられる能力を養うこと、これこそが予習の目的です。予習は、入試を意識して行うもの入試を意識すると、予習に向き合う態度や予習の仕方もおのずと変わってきます。予習であれば、単語の意味を調べ、文も少しずつ時間をかけて区切りながら読む時間がとれますが、入試本番ではそうはいきません。長文1題を理解するのに1時間もかけていては、入試では確実に時間切れです。かといって、文意が理解できなければ問題も解けませんし、当然ながら入試では辞書や参考書も使えません。つまり、その場で速く正確に文を読み解く能力を身につけるべきなのです。予習は、そのための練習の場です。もちろん、学校の先生によっては、全文を訳したり、文法的な説明を全て書き込んだりと、かなりの作業を求める人もいますから、短時間で全てを終わらせるのは難しいかもしれません。しかし、最終的にノートにそれらを記入するとしても、まずは初めて見る文章の意味をつかむ練習から行っていくべきです。予習しながら、文章解釈力を高めていこうここからは、具体的に予習で心がけるべき取り組みについて説明しましょう。もちろん、単語や熟語、文法事項を調べ覚えていくのも重要ですが、もっとも重要なのは速読訳や段落ごとの大意をつくることです。たとえば英語なら、日本語らしい訳文をつくるのは後回しにして、まずは英文を前から少しずつ読み下しながら意味をつかんでいきます。そして、その段落に書いてある内容を大まかにまとめましょう。また、古文の場合は、主語の省略に特に注意します。文中の動作や会話ひとつひとつの主語は誰か書きこんだり、主語が変わった箇所に印をつけたりする練習をしましょう。そして授業では、これらが正しいのかを確認し、間違っていればその点を特に注意して先生の話を聞いたり、質問したりします。いわば、授業は『予習の答え合わせの場』でもあるのです。こうした取り組みの積み重ねが、初見の文章を読み解く力を養います。地味な作業かもしれませんが、入試のためという最終目的を忘れないようにしましょう!