楽観的になりすぎていませんか?受験においては、まず行きたい学校を見つけ、そして合格するための努力をし、学力をアップしていくことが求められます。しかし、志望校は決まっているものの、本人の実力が伴っていないケースが少なからず見受けられます。特に問題になるのが、目標に対し過度に楽観的になりすぎ、かえって状況を悪化させてしまう場合です。受験のプレッシャーを乗り越えていく上で、楽観的に考えられるのはプラスに作用することもあります。しかし、楽観的すぎるのは、決してよいことではありません。受験直前になって焦っても、もう遅い見通しが甘く、現実の努力が伴っていない受験生は、しばしば壁に突き当たります。しかも、得てしてそれは受験直前にやってきます。楽観的な性格の人は、模試などでよくない結果が出ても、それを深刻に受け止めない傾向があります。早めに自分の実力に気づき、気持ちを入れ替えて真剣に勉強すれば、まだ大きく伸びる可能性もあるでしょう。ところが、楽観的に考えすぎると、そうした機会を逃してしまうのです。その結果、受験直前になって模試の判定が悪いことに急に焦り始める、ということになりがちです。しかし、すでに周囲がハードな受験勉強を続けている中で、秋、ともすれば冬に入って急に勉強のペースを上げたとしても、追いつくのは至難の業なのです。絶望的な状況になってから焦っても、取り返しがつきません。 子どもは万能ではないまた、中学・高校受験生でよくあるのが、親が目標を『高望み』しすぎている場合です。高学歴の親に多いのですが、自分の価値観や希望が先行し、子どもの意欲・学力がそれについていけていないというパターンです。「自分の子どもを何とかいい学校に入れたい」という気持ちは理解できますが、受験するのは子どもです。そして、子どもは万能ではありません。親からの過度なプレッシャーは、しばしば子どもに悪影響を与えます。「自分はそこまで一生懸命になってレベルの高い学校に行きたくないのに……」と思う子どもとの間に溝を生んだり、親の期待に答えようと頑張りすぎて体調を崩してしまったりということも、実際にあったことです。つまり、学力が伸びないどころか、もっと悪い結果を招いてしまう可能性もあるわけです。 自分の実力を客観的に把握しよう楽観的になりすぎないようにするには、受験生なら自分の、親であれば子どもの実力を客観的に把握することが重要です。まずは、模試の成績推移を見るなどして、学力レベルは足りているのか、足りていないならどの分野を補う必要があるのか確認しましょう。そして、先生とこまめにコミュニケーションをとり、アドバイスをもらうようにしましょう。周囲の人は、意外と自分に見えていないことが見えているものです。受験においても『敵を知り、己を知る』ことは重要です。合格をつかむために、自分に合った、着実な計画を立てましょう。