「とにかく国公立」という人は多いけれど……高校・大学受験では、「とにかく国立・公立に行きたい」という受験生の声をよく耳にします。国立・公立の高校や大学の魅力は、何といっても学費の安さ。景気低迷が長期化していることもあり、受験生の国公立志向はもはや当たり前のものとなっています。特に地方では,この傾向がさらに色濃く表れます。私立校を受験せず公立校一本で、という極端な受験をする生徒もいます。しかし、国立・公立の学校は当然ながら多くの受験生が集まるため、入学するためライバルとの競争は激化しています。どうしても国公立に行きたい生徒にとっては、不合格になって私立に行く、あるいは浪人するリスクは避けたいものです。そのため、大学入試センター試験終了後、あるいは入試倍率が発表された直前期には、「不安なので志望校を1ランク、あるいはもっと下げる」という『安全策』を取る受験生が多くみられます。一見理にかなっている行動に見えますが、実はここに大きな危険性が潜んでいるのです。それは何でしょうか? 急に変更したその志望校、本当に入学して後悔しませんか?学校には、それぞれ個性があります。「絶対ここに行きたい」という学校もあれば、「ここなら行ってもいいかな」「ここには行きたくないな」といった学校もきっとあることでしょう。そして、学校の様子を見聞きし、行きたくないと思ったとき、あえてその学校を受験する人は多くないはずです。危険なのは、どんな学校かも分からないまま、不合格になる不安感にかられ、あわてて志望校や学科を変えてしまうことです。確かに学力的には問題ないラインの学校を受験すれば、不合格のリスクはほぼなくなり、安心して受験することができます。が、それはあくまで『受験まで』のことです。急に変更した志望校は、どんな学校か分からないことも多く、入学後に「こんな学校、入るんじゃなかった……」とがっかりしてしまう可能性もあるのです。残念ながら、こうした安全策をとった結果、入学した学校になじめず、学ぶ意欲をなくして成績不振に陥ったり、あるいは退学してしまったりする人も多いのです。本来の志望校ならまだしも、当初予定にない学校に進学した結果が楽しくない学校生活だったとしたら……悔やんでも悔やみきれませんよね。入試はゴールではなく、新たな学生生活のスタートでしかありません。高校なら3年、大学なら4年(あるいはそれ以上)を過ごすことになり、さらには通う学校次第で自分の将来も変わってくるわけですから、学校選びはよく考えて行うべきです。 事前に十分な学校調べを!入学後に「こんな学校とは思ってなかった……」とならないためには、やはり事前に受験候補校をリストアップし、その学校について十分調べておくことです。そして、「ここなら入学しても後悔はしない」と思える受験校を確定させたいものです。受験校選びは人生選び。後悔しないよう、十分調べた上で受験しましょう!