地理が苦手なのは、地図に触れる機会が少ないから 社会が苦手な生徒と話をすると、たいていの生徒は地理が苦手で、日本や世界の地図が頭に入っていないことがわかります。島根県と鳥取県、群馬県と栃木県の位置が逆になっているのはまだ序の口。静岡県を九州地方の県にしてみたり、ブラジルがヨーロッパにあると思っていたり、ひどいと都道府県名も国名もほとんど知らなかったり……こうした状態では、いくら社会の勉強をしても頭に入りません。では、なぜ地図が頭に入らないのでしょうか。それはひとえに、今まで地図に触れる機会が少なすぎたからだと考えられます。当然のことですが、見たことがなければ頭に入っているはずもありません。小学校や中学校では、地図を活用するかどうかは学校の先生の裁量によるところが大きいです。地図をしっかり活用して授業を組み立てようとすると、どうしても手間も時間もかかるので、地図を使いたがらない先生もいます。また、自分の生きている身のまわりの世界であれば、親や身近な大人が目的地まで連れて行ってくれるので、地図がなくとも生きていけます。そんな状態で育ってきた子どもたちは、いつの間にか地図に親しむ機会をなくしているのでしょう。 楽しみながら地図に親しむ『地名探しゲーム』このように、地図に親しむ機会がない子どもたちにすすめたいのが『地名探しゲーム』です。地図をほとんど見たこともない生徒に、いきなり地図を開かせても知らない情報が多すぎてなじめないものです。まともに地図を見られるようになるまでには、もう少し段階を踏むべきです。そこで、本格的に地図を活用する前段階として、楽しみながら取り組めるのが『地名探しゲーム』です。ルールは単純。何人かで地図を囲んで輪になって、一人が問題を出し、残りの人が答えます。問題を出す人は、地図の中にある国名、都市名、地名などをひとつ読み上げるだけ。答える人は、聞いた瞬間から地図とにらめっこして、地名を探し、見つけたら「ここ!」と指差します。もちろん、一番早く見つけた人が勝ちですね。やってみるとわかりますが、ルールが単純で、しかも競い合いの要素があるため、子どもにも親しみやすいゲームです。使うのは地図帳だけなので準備も簡単ですし、学校の教室内でもできます。しかも、自然と地図を見る習慣がつくので地理の勉強にも役立つという、非常に優れたゲームなのです。ぜひ、一度試してみてください。 地図に強くなると、様々なメリットが!子どものころから地図に親しんでいると、当然ながら学習面で大きな差が現れます。地図を使った問題に強くなるのはもちろんですが、それだけではありません。私たちは普段、どうしても身のまわりのせまい世界で物事を考えがちですが、日本地図、世界地図に慣れ親しむことによって、日本全体、地球全体に視野を広げることができるようになります。グローバル化が進む現代において、これは非常に重要なことではないでしょうか。ぜひ、地図に親しみ地理感覚を身につけ、ものごとを広い視野で考えられる人になってください!