公立中高一貫校、入試の特徴は?首都圏の公立中高一貫校は、6年一貫教育・学費の安さ・難関大学への進学実績などが評価され、入試でも毎年多くの受験者を集めています。倍率が高く、しかも入試で出題される適性検査や作文は通常の中学入試のものとは大きく異なります。合格するにはしっかりと対策を立て、独特な入試問題に対応できるようにしておく必要があります。公立中高一貫校の問題は、公立学校という性質上、小学校の学習内容を大きく超える内容は出題されません。国・私立中とはちがい、中学・高校レベルの知識の学習は必要ないのです。しかし、公立中高一貫校の問題には、国・私立中の入試問題とはまた違う難しさがあります。大きな特徴は、小学校で学習する事項と日常生活に関する事項をもとに、知識を活用したり計算したりしながら考える能力や、考えたことを文章で表現する能力が求められることにあります。小学校での学習だけではとても太刀打ちできませんし、国・私立中入試に向けた勉強の内容とも大きく異なるので、公立中高一貫校を目指すのであれば独自の対策が必要です。公立中高一貫校の適性検査を解くために必要な能力公立中高一貫校の入試問題を解くためには、さまざまな能力が求められます。まず、小学校で習う内容を確実に習得しなければなりません。ここに穴があっては、応用力を問われる適性検査の問題を解くのは困難です。次に、読解力を高めておく必要があります。作文問題は、長文を読んだ後に書くことが多く、文章読解力が直接問われます。それだけでなく、適性検査の複雑な問題を読み取り、問いに対し正確に答えるためにも、しっかりとした読解力を身につけておきましょう。計算力も非常に重要です。速さ、割合、面積など小学校の算数で学ぶ事項を中心に、かなりの量の計算を求められます。国・私立中入試レベルの応用問題が出題されることもあり、『受験算数』を勉強してきた生徒のほうが有利になることもあります。そして、これらの力をもとに順序立てて考え、解答を組み立てる論理的思考力も欠かせません。普段から、解答を暗記するのではなく、なぜそうなるのか考え、理解する習慣をつけましょう。また、適性検査・作文ともに記述式解答を求められます。正しい言葉遣い、丁寧な字はもちろん、筋の通った文を書けるよう練習しておかなければなりません。 早い時期から出題傾向を知り、トレーニングを積もう公立中高一貫校入試が始まった当初は、過去問もほとんどなく、手探りの対策が行われていました。しかし、現在では全国各地に公立中高一貫校が開設され、過去問も豊富に存在するので、以前より対策が立てやすくなりました。受験を考える場合、まずはできるだけ早く志望校の過去問を入手し、どんな問題が出されているのか知りましょう。その上で、公立中高一貫校入試用の教材を使いながら出題形式に慣れていきましょう。また、国・私立中入試用の勉強が役立つこともあります。余裕があれば公立中高一貫校対策の勉強と併用するのもよいでしょう。