『全学部入試』って、聞いたことありますか?大学入試といえば、センター試験と二次試験で決まる国公立大入試と、各学部の試験を個別に受験する私立大入試を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、私立大入試は年々多様化し、センター試験利用入試のように受験生の負担を軽減する入試制度も定着してきました。そして、近年一般化してきているもう一つの入試制度、それが『全学部入試』です。「聞いたことない、何それ?」と思う人もいるかもしれません。今回はこの全学部入試について説明していきます。全学部入試の特徴とメリット全学部入試は、近年私立の総合大学で行われるようになった入試方式です。全学部入試のメリットは『一度の試験で複数の学部に出願できる』という点にあります。通常、私立大の入試では学部ごとに試験が行われるので、同じ大学の法学部と社会学部といったように、複数の学部を併願したい受験生は、受験する学部の数だけ試験会場に行く必要がありました。試験会場が家の近くにあればいいのですが、そうでない場合受験生は何日も続けて試験を受けに行かなければならないので、受験生の負担は相当なものになります。さらに、試験会場が近くにない地方の受験生の場合は、ホテルに何日も泊まり込みで受験することになるため、さらに大変です。また、第一志望が国公立大という生徒にとって、私立大入試が行われる1月末~2月初めは国公立大二次試験の対策を行う重要な時期です。できるならば、私立大の受験にかける負担を減らし、国公立大の入試対策に集中したいところです。こうした受験生にとって、全学部入試は利用する価値のある入試方式といえます。 こんな人は、ぜひ全学部入試を受験してみよう全学部入試を利用するべき受験生は、いくつかのタイプに分けられます。まず、行きたい大学が決まっている私立大志望の受験生です。あこがれの第一志望校であれば、受かるチャンスは一つでも多いほうがいいはず。通常の個別日程入試に加えて全学部日程も受験しておけば、それだけ合格の可能性を高めることができるのです。また、複数の私立大を併願する場合にも全学部入試は使えます。受験料収入を確保したい大学側は、個別日程と異なる日(ほとんどは個別日程より前)に全学部入試を実施します。このため、受験校どうしで個別日程の入試日が重なってしまう場合、片方の大学を全学部日程で受験すれば併願が可能になります。そして、国公立大志望の受験生にとっても、全学部入試は活用しやすい入試です。センター試験利用入試と全学部入試を出願しておけば、受験料負担は増えますが、受験しに行く負担は最小限にとどめることができます。センター試験でしっかり得点できていればセンター試験利用入試で合格できますし、センター試験の点数が伸びなかった場合には全学部入試で保険をかけられる、というわけです。志望校の入試日程をよく確認した上で、全学部入試をうまく活用して受験プランを立ててみましょう!