思考力が重視される現代の教育課程現代日本の教育課程は、かつての詰め込み型の教育から大きく転換し、論理的思考力を重視するようになっています。たとえば,試験では単純に暗記した知識を答えさせる問題が減り、代わって資料などを与えた上で判断・論述させる問題が一般的になりました。また、学校の授業でも、かつて一般的だった『枕草子』や『徒然草』などの古典の序文を暗誦させるような授業はあまり行われなくなりました。また、定期テストでも、暗記だけでは高得点が取りにくくなっています。 思考力重視の試験に対応するには?さて、こうした思考力重視の傾向を得意とする人もいれば、苦手意識を持っている人もいることでしょう。暗記であれば時間をかければできるのに対し、思考力は一朝一夕に身につくものではありません。「コツコツ努力するのは得意でも、考えるのは苦手……」という人は、定期テストや入試のための勉強で苦戦を強いられているのではないでしょうか。では、思考力重視の試験に対応できる力は、どうすれば身につくのでしょうか。 カギは『基礎的な知識』と『知識どうしの関連』試験で求められる論理的思考力とは、決して「何もないところから新しいことを考え出せ!」というようなものではありません。学校で学ぶレベルの知識どうしをつなげることができれば、たいていの問題には対応できます。たとえば、「日本の年金制度について、将来的に働く世代の負担が大きくなるという問題が指摘されているのはどうしてか」という問いであれば、まず「年金制度が働く世代の納める保険料で支えられていること」、そして「少子高齢化が進んでいること」を思い出しましょう。そして、「少子高齢化によって、働く世代は減少するが、年金を受け取る高齢者は増える」というように、2つの知識をつなげられれば解答にたどりつけます。つまり、『基礎的な知識』を学んだ上で、『知識どうしの関連』を見つければいいというわけです。 つながりを意識しつつ、知識を増やそう論理的思考力は『無から有を生み出す』能力ではなく、『基礎的な知識』どうしをつなげて結論を導く能力です。ということは、知識が多ければ多いほど、知識どうしのつながりも生まれやすくなるので、思考力も育ちやすくなります。つまり、知識を暗記していくこと自体は決して悪いことではありませんし、むしろ必要なことなのです。しかし、暗記の際には、ただ丸覚えするのではなく、今まで学んだ知識とのつながりを意識することが重要です。普段から知識どうしのつながりを意識しながら覚えることで、覚えたことを忘れにくくなる上、知識をつなげ、論理的に考える能力も育ちやすくなります。ぜひ、試してみてください!