高校受験、偏差値の見方は状況によって異なる高校受験が近づくと、子どもに模試を受けさせる親が増えてきます。すると、子どもの通知表の成績だけでなく、模試の偏差値も気になってくるものです。偏差値は確かに子どもの実力を把握するのに便利ですが、高校入試の場合は状況によって偏差値をどう見ていくかが変わってくるので注意が必要です。 公立高入試の場合、内申点と当日点の比率に注意まず、公立高入試の場合は、内申点と当日点の比率に注意が必要です。首都圏の公立高入試では、各高校が定める基準により、内申点:当日点の比率がおおむね7:3~3:7の間で変動します。そのため、志望校が内申点と当日点のどちらを重視しているのかを確認しておくべきです。もし、内申点重視の学校なら、模試の実力を気にするより、普段の中学校での成績を上げて内申点を高めておいたほうが有利です。逆に、進学校に多い当日点6~7割の学校の場合は、当日点しだいで合否が変わる可能性が大いにあるので、実力を確認するため偏差値も気にしたほうがいいということになります。 模試によって偏差値は異なるここで気をつけなければならないのは、模試が違うと、算出される偏差値も異なるということです。大ざっぱにいえば、模試受験者全体の平均点を偏差値50として、平均点との差を表すのが偏差値です。つまり、模試によって受験者の層やレベルは異なるので、違う種類の模試どうしで偏差値を比べても意味がないのです。 志望校に合わせた模試を受けようまた、模試によってターゲットとなる受験者は異なります。公立高受験者をターゲットとする模試は、公立高の入試形式やレベルにそっくり似せた模試を実施しているので、同じ公立高入試を受験する中学生が集まりやすくなります。一方で、塾などが実施する模試の中には、公立高だけでなく難関国私立高志望者にも対応した模試があります。こちらは、問題のレベルも公立高向けより難しくなっていることが多く、形式も公立高入試とは異なります。当然、結果として出てくる偏差値も公立高向けの模試と違い、公立高向けの模試より偏差値が大幅に下がって驚くことも珍しくありません。しかし、志望校が公立高なら、あくまでも公立高志望者向けの模試での偏差値を中心に見ていくようにすればよいでしょう。 偏差値と上手に付き合うためのポイントとは?高校入試においては、まず何よりも志望校を決め、それに合わせた模試を受験していくことが重要です。志望校のレベル・問題形式に合った業者の模試を何度も受け続け、偏差値の推移を見ていくと、実力の伸びがわかります。また、公立高入試の場合は、偏差値だけを見るのではなく、内申点と当日点の比率や生徒の内申点も考慮に入れるようにしましょう。そして、偏差値はあくまで模試受験時点での実力の目安です。たとえ偏差値が志望校の合格ラインに届いていなくても、最後まであきらめずに勉強を続けていれば、入試当日には逆転合格を実現することも十分に可能です。「絶対に合格する!」という強い気持ちで、最後の最後まで粘り強く勉強に取り組む姿勢こそが何よりも重要です。