公民の進度には注意が必要国公立大志望の文系受験生は、センター試験で社会を地歴1科目・公民1科目受験するパターンが多いのですが、このうち公民に関してはある問題があります。それは『センター試験までの問題演習が不足しやすい』ということです。入試制度の変更にともない、2012年度からセンター試験で『倫理、政治・経済』が新たに実施されるようになっています。しかし公民の場合、国公立大志望の文系受験生は2年次から『倫理』『政治・経済』を履修するケースが多くみられます。高2・高3の2年間で『倫理』『政治・経済』の2科目を学んでいくので、後に学ぶほうの科目は高3からのスタート、ということになりやすく、教科書の内容を終わらせて問題演習に入るのが遅くなりがちです。この場合、『倫理』または『政治・経済』のうち、先に学んだ科目だけを入試で使うようにすれば入試までに十分な時間がとれるのでしょうが、「『倫理』を先に習ったけれども『政治・経済』のほうが好きだし、入試でも使いたい」「受験する大学はセンターで『倫理、政治・経済』が必須」といった場合には、そうはいきません。つまり、公民については学校での習い方や入試での選択科目に応じて対策をとる必要があるのです。 早めに問題演習を始めよう公民で高得点を取るためには、ただ授業で説明を受けるだけではなく、大学入試の問題パターンに合わせた問題演習も重要になってきます。公民はセンター試験でしか使わないという人も多いのですが、センター試験の問題形式には独特の特徴があるので、それに慣れる必要があります。そこで、たとえ学校で全範囲を習い終えていなくても、早めに問題演習を始めるべきです。全内容を学び終わってから初めて問題演習をするより、習っている単元だけでも問題演習に入っていくほうが記憶も定着しやすいですし、結果的に演習量を増やすことができ、高得点に結びつきやすくなります。 『倫理、政治・経済』選択者は、学校の授業より先に学んでいこう特に、難関大に多い『倫理、政治・経済』を必須とする大学を受験する際には早めに対策を立てる必要があります。先に習い終わったほうの科目は、センター試験の過去問題集などでしっかり問題演習をし、自信をつけておきましょう。一方、後から習い始めた科目については、ある程度独学でインプット作業を進めたほうがよいでしょう。たとえば、『政治・経済』が高3からスタートした場合、先に『政治』から授業が進んでいる場合には『経済』、『経済』から授業が進んでいる場合には『政治』の学習が遅れがちです。そこで、参考書などを利用して基本事項を独学し、学校で習い始めるのを待たずにセンター試験対策を始めておきましょう。 公民は大学に入っても役立つ特に科目数が多くなる文系難関大志望者にとって、公民の負担は厳しいものがありますが、高校生のうちにがんばっておくと大学で学ぶことの基礎ができあがります。法学部・経済学部で学ぶなら『政治・経済』の知識は必須です。また、それ以外の学部でも、教養科目を学ぶ際に公民の知識があると非常に役立ちます。入試だけでなく大学入学後のためにも、しっかり勉強して公民を早めに制覇していきましょう。