短期間で点数を伸ばせる理科・社会偏差値50、つまり平均点を取れていない受験生にとっては、入試までに『いかに点数を伸ばすか』がポイントとなります。現状では解けない問題のほうが多いかもしれません。でも、1問でも2問でも解ける問題を増やせば、それだけ合格が近づいてくるわけです。そこでお勧めしたいのが、短期間で得点力を大きく伸ばせる可能性がある理科・社会に力を入れることです。理科・社会は、他の科目に比べ知識問題の比率が高いのが特徴です。つまり、暗記して知識を増やせば、入試までの短期間でも一気に点数アップができる可能性が高いので、逆転合格を実現しやすいのです。 各単元の基礎を固めよう理科・社会の点数が低い人は、えてして各単元の基礎事項が覚えられていないものです。入試には確かに応用問題も出題されますが、中堅レベルまでの中学入試や公立高校入試では基礎知識の比率のほうが高くなっています。つまり、学校や塾で習った基礎事項を覚えていれば、少なくとも50点は超えられるはずです。他の科目もそうですが、理科・社会も基礎固めが非常に重要ということがわかります。 理科なら、まずは生物分野そこで、理科・社会のそれぞれについて、具体的にどこから手をつけていけばいいのかみていきましょう。まずは理科です。中学・高校受験とも、最優先すべきは生物分野でしょう。物理・化学・生物・地学の4分野中、生物は最も知識問題の割合が高い分野です。裏を返せば、最も『詰め込みがきく』分野でもあるわけです。植物・動物・人体について、体のつくりやはたらき、仲間分けなどを確認し、どんどん覚えていきましょう。覚えれば覚えただけ、点数が伸びやすくなります。中学受験の場合は、化学分野もお勧めです。中学受験の化学は、高校受験や大学受験に比べ、化学式の組み立てなど理解を要する事項が少ないため暗記でカバーしやすくなっています。一方、高校受験の場合は、水溶液・気体の性質など暗記しやすい単元を攻め、あとは天気や地層など地学分野の基礎を固めていくとよいでしょう。 社会は歴史優先で!一方、社会は全体的に知識分野が多いことが特徴です。地理・歴史・公民とどの単元も暗記すればすぐに伸びる可能性が高いのですが、入試での出題傾向を考えると、特に出題割合が高い歴史を優先したほうがよいでしょう。入試では、古代~近世、すなわち江戸時代までと、明治時代以降の近代・現代に分けて出題されることが多いので、古代から順に勉強するだけでなく、明治時代以降の勉強にも同時並行で取り組むのがお勧めです。また、地理は日本地図・世界地図を見て、都道府県・県庁所在地名、主な国名を覚えることから始めましょう。これは歴史や公民でも役立ちます。同様に、世界遺産も歴史とのからみで出題されやすいので、日本の世界遺産は全て覚えておきたいものです。公民については、政治分野を重視しましょう。中学受験ではほとんど政治分野からの出題となる傾向にあります。また高校入試でも政治分野のほうが出題されやすいので、公民が苦手な人はまず政治分野から固めていきましょう。