『鶏口牛後』は、学校選びにも当てはまる!『鶏口牛後』という四字熟語を知っていますか? 元は「むしろ鶏口となるも、牛後となるなかれ」という中国の故事に由来する言葉です。牛後=牛のように大きな集団の後方についてまわるより、鶏口=鶏のような小集団の先頭にいたほうがよい、という意味です。この『鶏口牛後』は、学校選びでも当てはまります。つまり、背伸びしてなんとか志望校に入れたはいいが、入学後に苦戦するケースが多々あるのです。 背伸びして入学した後に待ち受けているものとは?公立の小・中学校に通う生徒は入試を経ていないので、様々な学力の生徒が集まっています。その中ではがんばって上位をキープできていた生徒も、入試を経て中学・高校に進学すると全く異なる環境に置かれます。周囲はみな同じ入試をクリアして集まってきた『選ばれた』生徒ばかり。共に学ぶライバルのレベルがそれまでとは全く違うので、定期テストでもなかなか平均点を取れず、精神的に落ち込む、というケースも珍しくありません。 逆境でがんばり続けられる生徒ならいいけれど…問題は、こうした状況に置かれたときにどう対処するかです。「何としても成績を上げてやる!」という強い志を持ち、常人離れした努力が続けられる人であれば、こうした逆境がプラスに作用するはずですが、そんな生徒ばかりではありません。特に進学校の場合は、普段から非常に多くの課題が出され、それらをこなしながら日々の授業についていくだけで精一杯、ということも珍しくありません。成績はよくない、毎日勉強ばかりで疲れてしまう……こうした状況が続けば、やる気をなくしたり、体調を崩したりしてしまってもおかしくありません。せっかく憧れの学校に入れても、これでは学校生活が全く楽しくなくなってしまいます。?『鶏口』を目指すメリットとは?このように、背伸びをした学校選びは後で逆効果となる可能性があります。それならば、あえて志望校を1ランク落とし、校内上位をキープする、つまり『鶏口』を目指すのも悪いことではありません。校内で上位につけていると、様々なメリットがあります。まず、学校の先生が目をかけてくれやすくなります。近年はどの学校も生き残りをかけ、進学実績を向上させようと必死の取り組みを行っているので、進学実績を上げられそうな上位層の生徒は自然と先生がフォローしてくれることが多いようです。次に、校内順位が高いと学校の評定が自然とよくなるので、大学の推薦入試の際に有利です。私立大狙いであれば、指定校推薦の校内選考をクリアすれば、かなり楽に大学進学できます。校内選考は評定平均値をもとに行われるので、同級生より成績がよければそれだけ指定校推薦をもらえる可能性が上がることになります。また、国公立大志望の場合でも、成績がよいと公募制推薦を受験でき、受験チャンスを増やすことができます。そして、成績上位にいられることは、進学校の成績下位層で苦しむよりはるかに精神的に楽だといえます。下位をさまよい、自信をなくすよりも、成績上位をキープし自信をもって大学受験に臨むほうがよい結果が出るという場合もきっとあるはずです。進学先は、入学した後のことまでよく考えて選びたいものです。