社会の入試問題の定番となった統計問題暗記した知識よりも資料活用能力や思考力を試す傾向が強くなった社会の入試問題。単純に知識を問う問題が減り、代わって定番となったのが統計資料を読み取って答えさせる問題です。しかし、出題される資料は、普段の授業ではあまり触れられないものがほとんどで、対策が立てにくく、社会がどちらかというと得意という人でも苦手意識を持っている場合も多いのではないでしょうか。 統計資料のネタもとは、実はそんなに多くない!でも、実は統計資料にはちゃんとネタもとがあるので、統計問題に対しても準備をすることができます。しかも、ネタもとはそんなに多くないので、知っていれば対策も立てやすくなります。 統計資料のネタもと①世界地理編まずは、世界地理の問題でよく使われる資料からです。世界地理の場合、ネタもとで最も多いのは、矢野恒太記念会の『世界国勢図会(ずえ)』と二宮書店の『データブック オブ・ザ・ワールド』の2冊です。書名を聞いたことがある人はほとんどいないかもしれませんが、実際に入試問題を見ていくと、統計の出典がこの2冊であるケースは非常に多いです。2冊とも、開いてみると統計がズラリ。数字のオンパレードです。どちらかというと『世界国勢図会』のほうが文も多く、字も大きいので読みやすいです。一方で『データブック』は世界・日本の主要なデータが前半にまとめられ、後半は世界各国の基本的な状況が要覧として収録されています。注目したいのは、気候、農林水産業、資源・エネルギー、そして貿易についての項目です。特に、作物や鉱産資源の国別生産量・輸出入相手国、おもな国の発電量・人口構成などは超がつくほどの頻出項目といっていいでしょう。たとえば、『コーヒー豆の生産量上位国』は、近年出題がかなり見られるテーマです。2位にベトナムが入るのが特徴ですが、学校ではほとんど扱いません。しかし、こうしたデータも、調べれば一発でわかります。しかも、この2冊のデータがそのまま入試でも使われるので、事前に目を通しておくと入試でトクする可能性があります。 統計資料のネタもと②日本地理編一方、日本地理の問題では、先ほどの『データブック オブ・ザ・ワールド』のほか、矢野恒太記念会の『日本国勢図会』と『データでみる県勢』が主なネタもとです。都道府県別の統計は『データでみる県勢』から作られることが多いのですが、試験対策用として使いやすいのは『日本国勢図会』と『データブック オブ・ザ・ワールド』です。特に、この2冊に収録されている農作物に関する統計は、普段の学習ではまず見かけず、しかも出題されやすいものが多いので、予習しておく価値が十分にあります。また、主な国との貿易品目や主な国内路線の旅客輸送量なども注目しておきたい資料です。 志望校の過去問の傾向に合わせた対策をすれば、さらに効果大!こうした統計の問題には、学校によって特有のクセがあります。志望校の出題傾向を確認し、どんなタイプの統計が出題されているかをつかんだ上で上記の本を利用すれば、さらに効果的な対策を行うことができます。ぜひ、志望校の出題傾向をチェックしてみてください!