社会の入試問題には、様々なテーマがある社会、特に歴史の入試問題には、さまざまなテーマがあります。なかには各小問が独立した一問一答方式の入試問題もみられますが、ほとんどの学校では大問ごと、あるいは入試問題全体にテーマを設け、統一されたテーマのもとで問題がつくられます。こうしたテーマとしてよく挙げられるのが『政治史』『外交史』『文化史』などですが、実は意外な定番テーマや、ちょっと変わったテーマなどもみられます。そこで今回は、こうした意外なテーマを取り上げてみましょう。 テーマ①世界遺産2014年に『富岡製糸場と絹産業遺産群』が文化遺産に登録されたことで、現在日本にある世界遺産は18となりました。世界遺産は社会の入試問題における頻出テーマのひとつとしての地位を確立した感がありますが、なぜ世界遺産は入試で『人気』なのでしょうか。これにはいろいろな理由があります。まず、地理・歴史・公民すべてに関連するという点です。白神山地や知床のような自然遺産は地理分野と関連しますし、登録されたばかりの富岡製糸場は明治維新と絡めた出題がよくみられます。そして、日本国憲法の原則『平和主義』と関連する原爆ドームのように公民分野とつながりのある登録地もあります。つまり、問題作成者からみれば、世界遺産は『ネタの宝庫』です。なので、受験前には世界遺産について調べ、知識を増やしておいたほうがよいでしょう。 テーマ②大河ドラマ主に歴史分野で最近よく出題されているのが、NHKの大河ドラマを題材とした問題です。NHKの大河ドラマは1963年に放送が開始され、50年以上の歴史があるシリーズです。戦国時代や幕末を中心に様々な時代の人物を取り上げているので、こちらもよく出題される『ネタの宝庫』です。近年の大河ドラマは「主人公は教科書には出てこないけれども、歴史上の重要な人物や出来事に関連する」という場合が多いのが特徴なので注意が必要です。たとえば、2014年の『軍師官兵衛』で岡田准一さんが演じた主人公『黒田官兵衛』は教科書に載っていませんが、彼は豊臣秀吉の天下統一に大きな役割を果たした人物です。各ドラマの主な内容を知っておくと、歴史の勉強にもなりますし、出題されたときに有利になります。 テーマ③学校周辺について私立校でよく出題されるのが『学校にまつわる地理・歴史』に関する問題です。古くからの名門校は、学校自体に何十年という長い歴史があります。また、周囲に史跡があることも多く、そうした学校や地域の歴史とからめた出題がされやすいのです。そして、修学旅行で訪れる地域に関する問題もしばしば出されます。沖縄、北海道、あるいは海外といった修学旅行のコースに関連させた出題です。志望校の修学旅行先について調べておくと有利になるかもしれませんね。上記のようなテーマを知った上で、問題集などで実際の出題例を確認し、その上で志望校の傾向に合わせた対策を立てるのが有効でしょう。