読解問題を解いても意味がない?国語の読解問題は、入試対策が難しい分野の一つです。なにしろ、題材となる評論文・小説・随筆などはそれこそ無数にあります。過去問題集などで問題を解いて練習しても、同じ文章の同じ箇所が同じように出題されることはまずありません。特に、同じ作品から再び出題される可能性はゼロに近いでしょう。そのため、志望校の過去問題集を解いても意味がないと思ってしまう人もいます。では、本当に読解問題の練習は意味がないのでしょうか? 読解問題の練習には、ちゃんと意味がある!読解問題で試されているのは、『初見の文章を読んで理解する能力』です。文章読解力は、国語だけでなく全ての教科、学問の基本となる非常に重要な能力です。新しい内容を学ぶには、初めて見る文章を読んで内容を理解することが必要となります。読んだことのない文章を、誰にも教わらず自分の力で読むには、しっかりとした読解力が求められます。国語の読解問題は、そうした力が身についているかを試しているのです。逆に言えば、読んだことがない文章だからこそ、問題演習する意味があるというものです。 定期テストと入試の違いを意識しよう読解問題を解く意味がないと考える人の多くは、上で述べたような読解問題の本質を見落としているのではないでしょうか。これにはいろいろな原因が考えられますが、なかでも大きな要因として挙げられるのが学校の定期テストです。定期テストは、学校で先生が授業をした範囲から出題されます。国語の場合、授業で学校の先生が予め文章の構造や要旨、注意すべきポイントなどを解説した上で定期テストが行われます。読解問題であるにもかかわらず、事前に何度も読み、解説も受けた範囲から出題されるのが定期テストの国語というわけです。ここでは、初見の文章を読み解く能力はそれほど必要とされません。学校で授業を受けた内容をきちんと理解していれば、定期テストでも高得点が取れます。しかし、この感覚のまま入試に臨んでしまうと大変なことになります。入試では、初見の文章を読解できるかという、定期テストとは全く違う能力が求められます。入試で高得点を取りたいのであれば、定期テスト対策とは異なるアプローチが必要です。 読解問題では、『同じ形式』の問題に注目では、入試を見据えた場合、どのような対策が必要なのでしょうか。読解問題には、指示語の問題、接続語の問題、言い換え問題など、決まった出題形式があります。そして、それぞれの問題形式には、適切な解法や考え方があります。たとえば、指示語の問題なら傍線部の直前を探す、接続語の問題なら空欄の前後を読んでつながりを考える、といった具合です。読解問題は、こうした解法や考え方を身につけるために解くものです。読解問題を解くときは、問題形式に注目し、それぞれに適した解法や考え方を使って解くことを心がけましょう。同じ解き方の練習を続けていれば、どんな文章が出題されても同じ解き方で解けるようになります。その点を意識しながら、読解問題に取り組んでみましょう!