自習室は、暗記には向かない?定期テスト前の勉強や受験勉強をするとき、よくお世話になるのが自習室です。自習室は、真剣に勉強するための場であり、音を出すことは許されない静かな雰囲気で勉強できるので、集中して勉強したいときにはよい環境だといえます。しかし中には、自習室で行うには不向きな勉強もあるのを知っていますか? 単語や漢字などの暗記に取り組みたいときには、自習室を使うのはおすすめしません。なぜでしょうか? 「声に出す」ことで暗記力アップ暗記において最も重要なのは、記憶することです。覚えたことを頭の中に残し、思い出せる状態にすることが、暗記を成功させるポイントです。記憶には、いくつかのコツがあります。ひとつは、寝る前に暗記を行うことです。人間の脳は、寝ているときに情報を整理しています。寝る前に暗記すると、脳は情報が新鮮なうちに整理することができるので、翌日に覚えたことを脳から取り出しやすくなるのです。もうひとつのコツは、他の情報との関連づけを行うことです。単語そのものだけを覚えるより、何かしら他の情報とセットにして覚えたほうがいいということです。単語の暗記をする際は、ただ単語の字面だけを見て覚えるだけでなく、声に出して読みながら音の情報とセットで覚えると、より記憶に残りやすくなります。たとえば、歴史の年号や理科の元素記号などを覚えるときは、語呂合わせを自分で工夫してみると覚えやすいです。そして、語呂合わせの際は声に出したほうが記憶の定着度は上がります。あるいは、覚えたいものを空中に書いてみるというのもひとつの方法です。いすから立ち上がって、声に出したり、体の動きをつけたりしながら、手で大きく空に描いてみましょう。たとえば漢字なら、「1! 2! 3!」と1画ずつ声に出しながら、筆で書くように大きく書くマネをしてみると覚えやすくなります。 暗記にもっとも適した場所は?自習室が暗記に向かない理由、気づいた人もいることでしょう。物音をたてるのもはばかられる自習室では、声を出したり、立ち上がって動きをつけたりといった行動がとれません。暗記に集中したいときには、自習室ではなく家の中がおすすめです。特に自由に行動できる自分の部屋なら、多少声を出しても文句を言われることはそうそうないですし、人の行動に気が散ることもないでしょう。また、自分の部屋で寝る前のひとときの時間を効果的に暗記に使うこともできます。学習する内容に合った環境を確保することは、効率よく勉強を進める手助けになります。