睡眠時間を削るのは当たり前?

定期テストや入試の直前になると、寝る間も惜しんで勉強するという子どもをよく見かけます。テストでいい点を取りたい、何としても入試に合格したいという思いがそうさせるのでしょう。毎日3~4時間睡眠でがんばり続けたり、ときには徹夜したりと、勉強に対する真剣さに驚かされることもしばしばです。 

睡眠時間を削っても、学力は伸びない?

しかし、そこまでして勉強時間を増やしたからといって、その分が学力にきちんと反映されるかといえば、必ずしもそうではないようです。 睡眠時間を削って勉強している生徒をよく観察していると、意外と勉強に集中できていないことが多いようです。ぼーっとしていたり、勉強が続かずに席を立つ回数が増えたり、あるいは居眠りをしたり……ムダな時間が思ったより多いのです。当然、勉強の質も上がらず、覚えたはずのことが覚えられていなかったり、ささいなミスをしていたりと、時間をかけて勉強したわりに効果が出ないということになりがちです。

睡眠時間を削るのは、デメリットのほうが大きい!

睡眠時間を削ると、当然ながら睡眠不足に陥ります。実は、睡眠時間を削って勉強時間を増やすメリットよりも、睡眠不足によるデメリットのほうがはるかに大きいのです。 1日、2日ぐらいなら、若さで耐えられるかもしれません。しかし、睡眠不足の状態を長期間続けると、間違いなくあなたの体はバランスを崩し、ベストなパフォーマンスを発揮できなくなります。しかも、睡眠不足が続くと、体調を崩しやすくなります。寝込んでしまって貴重な勉強時間を無駄にすることほど、もったいないことはありません。特に、それが試験当日だったらどうなるでしょうか? 試験で実力を発揮できなかったら、何のために一生懸命勉強してきたか分からなくなりますよね。

合言葉は『よく寝て、よく勉強する』

睡眠不足で勉強の質を落とすぐらいなら、毎日睡眠のリズムを一定に保ち、ベストな状態で集中して勉強したほうが効果的です。みなさんも、集中して勉強できたときには、充実感があると思います。十分眠れて体調がいいときのほうが、頭もまわるし、何より集中できるので、勉強がはかどります。 特に入試直前は、ついつい気持ちが追い込まれて夜遅くまで勉強してしまいがちですが、そんなときこそ要注意です。試験前の大事な時こそ、ベストコンディションを保ち、気持ちよく勉強できるよう心がけるべきです。勉強時間を確保したいなら、むしろ朝起きたあとの時間にしましょう。 『よく寝て、よく勉強する』。これが試験で成功するコツです。ぜひ、睡眠のリズムにも気をつけてみてください。