二次試験にも変革の波が!

2014年12月、センター試験にかわる新しい学力評価テストの導入などを盛り込んだ中央教育審議会の答申『新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について』が発表されたことは、知っている人も多いのではないでしょうか。

近い将来、大学入試の仕組みは大きく変わることになりそうです。 しかし、変わるのはセンター試験だけではないのです。実は、国公立大学の二次試験についても、大きな変革の波がやってこようとしています。答申をもとに、二次試験がどうかわるのか見ていきましょう。 

現在の二次試験の問題点とは

現在の二次試験は、英語、数学など数科目の記述式試験が中心となっています。国公立大学の入試は、これらの試験での得点とセンター試験の得点との合計をもとに受験生の合否が決定されるシステムになっています。 しかし、答申ではこうした入試、特に難関校以外の場合では、主に知識面のみを問うものになってしまっていると指摘されています。そこで、「知識・技能」だけでなく「思考力・判断力・表現力」や「主体性・多様性・協働性」も含んだ「確かな学力」の評価を重要視する方向へ転換しようというのが二次試験改革の目的です。

アドミッション・ポリシーを全受験生に活用

答申では、まず各大学が入学者選抜で受験生にどんな能力を求めるのか、そしてそれをどのような形式で評価するのかをアドミッション・ポリシーに明記するよう求めています。 アドミッション・ポリシーとは『入学者受け入れ方針』のことで、これまでも推薦・AO入試では活用されてきました。しかし、推薦・AO入試だけでなく、全ての入試方式の受験者に対してアドミッション・ポリシーを活用するよう求めているのがポイントです。

一般入試でも小論文・面接などが必要になる?

これに伴い答申では、従来は主に推薦・AO入試で行われていた「小論文、面接、集団討論、プレゼンテーション、調査書、活動報告書、大学入学希望理由書や学修計画書、資格・検定試験などの成績、各種大会等での活動や顕彰の記録、その他受検者のこれまでの努力を証明する資料などを活用」することが提案されています。 特に英語については、「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能を総合的に評価するようアドミッション・ポリシーで示すことを求めるとともに、資格・外部試験のさらなる活用を求めています。

入試情報のキャッチがさらに重要に!

答申でもう一つ注目すべきポイントは、こうした二次試験改革を「個別大学において検討、周知も含めて可能なものから随時実施」する時期を2015年度からとしていることです。 つまり、大学によっては2020年に予定されるセンター試験廃止に先立って二次試験の大幅な変更が行われる可能性があるわけです。もしかすると2016年春の入試から各大学の間で動きが出てくるかもしれません。例年以上に入試制度変更についての情報収集が重要になりそうです。

早いうちから鍛えておくべき能力とは?

2015年現在の小・中学生が大学受験をするころには、こうした二次試験改革が実際に行われる可能性が高まります。そこで、早い時期から会話力も含めた英語力の強化や、小論文のような長い文章を書く力、そしてプレゼンテーションなどで自分の主張をアピールする力を養成していくことが重要だといえます。 特に英語力については、身につくまでに時間がかかることもあり、早くから鍛えておくにこしたことはないはずです。国公立大学受験を視野に入れるなら、早めに英語力強化に取り組んでみてはいかがでしょうか。