大学生活は4年で終わるとは限らない

大学といえば『4年間』というイメージがある人は多いのではないでしょうか。確かに、多くの大学生は4年で卒業し、社会へと出ていきます。なので、そういうイメージになるのも無理はありません。しかし、実際のところ、4年制ではない学部も中にはあります。また、大学を4年で卒業してもまだ学生を続けるという人も多いのです。一体どういうことなのでしょうか? 6年制の学部

中には、6年制の学部もあります。医学部、歯学部、獣医学部は6年制です。そして、2006年からは薬学部のうち薬剤師養成課程も6年制となりました。いずれも医療に関わるスペシャリストを養成する学部です。ぼう大な量の勉強をしなければならないので、4年間では足りないというわけです。ちなみに、薬学部には少し注意が必要です。薬学部には、大きく分けて薬剤師養成と製薬の研究者養成という2つの目的がありますが、このうち6年制になったのは薬剤師養成課程だけで、製薬研究者を目指す人は4年制のコースに進み、大学院でさらに深く学んでいくことになります。私立大学の薬学部はほとんどが6年制ですが、国立大学の薬学部の場合は4年制の製薬研究者養成コースに進む人も多く、難関大になるに従ってその割合は増すようです。

理系の研究者になるには、4年じゃ足りない?

一方、4年制大学でも、卒業後そのまま就職せず大学に残る、というケースもあります。特に、理系の学部ではその傾向が強くなります。理系の学部は、基本的にスペシャリストを育てるところです。学生側も、できれば就職しても好きな分野を深く究めたいと考える傾向が強いです。しかし、社会に出て即戦力の研究者や専門家として活躍するには、学部の4年間だけでは足りません。そのため、大学院に進学してさらに深く研究に取り組み、修士・博士になってから就職する、という人も多いのです。

教員になれなかったら大学院に残る?

もう一つ、大学院に進学する割合が比較的多いのは教員養成系の学部です。しかし、こちらは先ほどの理系の場合とは少し事情が違います。教育学部など教員養成系の学部に通う学生の多くは、学校の教員を目指します。しかし、教職免許は在学中に取れても、その先に待っている教員採用試験は超がつくほどの難関試験です。なぜなら、公立学校の教員の場合、都道府県や市町村ごとの教員採用枠が少なく、ひどいときには教科あたりで年に1人や2人しか採用がない、ということもあるからです。そのため、教員を目指す学生の中には、学部卒業時点で教員採用試験に合格できなかった場合、大学院に残りつつ非常勤講師として経験を積んで次のチャンスに備える、という人が相当数います。

大学のその先まで考えた進路選択を

このように、進学先によっては大学生活が4年間で終わらない可能性もあります。自分で学費を捻出できるのであればまた話は違うでしょうが、親に学費や生活費を出してもらうのであれば、前もってよく考えておくべきです。自分の希望進路が6年制だったり、大学院進学の可能性があったりする場合は、進学を決める前に家族とよく話し合っておいたほうがいいでしょう。