『干支』って知っていますか?

みなさんは、『干支(えと)』について知っていますか?

干支といえば、正月が近づくと意識されるようになります。そう、「来年は○○年」というやつです。たとえば、2015年はひつじ年で、次の2016年はさる年です。また、生まれ年の話になったとき、「私は1999年のうさぎ年生まれ」というような話をすることもあるでしょう。

これらは、干支の中の『十二支』からきています。正確に言えば、干支は『十干』と『十二支』を合わせたものですが、私たちの生活には十二支のほうが関係深くなっています。

実は、干支、特に十二支を知っておくと、勉強面でもいろいろなところで役立ちます。今回は、勉強に役立つ干支の知識についてみていくことにしましょう。

 

今も生活の中に根づく干支

干支のうち、十干は甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)から成っています。十干は、木・火・土・金・水のいわゆる五行思想と結びついて発展してきました。

また、十二支は子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)から成ります。

十干も十二支も、古代中国で発達した思想で、中国を手本にしてきた日本でも古くから用いられてきました。その名残は、今も様々なところに表れています。その一部をご紹介しましょう。

 

『昼12時』=『正午』なのはどうして?

まず、私たちが普段何気なく使っている『午前』『正午』『午後』という時刻の表し方です。なぜ、『午』の字が使われるのでしょうか? 気づいた人もいることでしょう。『午』は、十二支の午からきています。

昔は、1日24時間を2時間ずつ12個に分け、それぞれに十二支を当てはめて時を表していました。今の午後11時~午前1時が子の刻、午前1時~3時が丑の刻、といった具合です。すると、午前11時~午後1時、つまり昼の12時ごろは午の刻になります。そのため昼の12時を正午とよび、それより前が午前、後が午後ということになっているのです。

また、夜中に神社で呪いのわら人形に釘を打ち込む『丑の刻参り』は、午前2時ごろに行うということもわかりますね。

 

『子午線』の名にも由来が!

十二支は、方角を表すのにも使われていました。子を北として時計回りに十二支を並べてみると、卯が東、午が南、酉が西となります。

これに由来するのが、地理で出てくる『子午線』です。つまり、子午線とは南北を結んだ線というわけです。

また、北東は丑と寅の間なので艮(うしとら)、南東は辰と巳の間なので巽(たつみ)、南西は未と申の間なので坤(ひつじさる)、北西は戌と亥の間なので乾(いぬい)となります。辰巳さん、乾さんという苗字をたまに見かけますが、これらの苗字は方角に由来しているのかもしれません。

 

干支を覚えて、勉強に生かそう!

また、年についても、昔は十干十二支を組み合わせた60年ひとまわりの紀年法が用いられていました。『壬申の乱』とか『甲午農民戦争』といった歴史上の出来事は、起こった年の干支に由来しています。

こうしたルールを知っておくと、勉強が少し楽しくなり、記憶にも残りやすくなります。ぜひ、干支を覚えて、学習の中に生かしてみましょう!