国公立大理系志望なら、受験科目の選択に注意

国公立大の理系学部・学科を受験する場合、センター試験で理科2科目、さらに二次試験でも理科を1~2科目受験することが多いのですが、ここで気をつけなければいけないのはこの2科目の選択です。高校で行う科目選択は、大学受験だけでなく大学進学後にも大きく影響するからです。

 

『物理』『化学』選択で大丈夫?

理系を希望すると、高1で『物理』『化学』『生物』『地学』の中から2科目選択し、高2からはその2科目を学んでいくことになりますが、理系に進むと『物理』『化学』の2科目を選択するのが一般的です。これは理系の主な進路である理工系学部で『物理』『化学』の知識が必要となるからです。

しかし、ここで安易に『物理』『化学』を選択すると、後で困ることがあります。

看護・医療・栄養系学部、薬学部、あるいは農学部などの生物系学部では、専門科目を学ぶのに『生物』の知識が必須です。こうした大学では、間口を広げて多くの学生に受験してもらうため、『生物』を必須教科としていないことが多く、多くの場合『物理』『化学』選択者でも受験は可能です。しかし、入学後に『生物』の知識がほとんどない状況では、大学入学後に苦労するのは目に見えています。特に看護・医療・栄養系では、専門職に就くため国家試験に合格する必要があるので、大学4年間もしくは6年間みっちりと国家試験合格のための勉強をしていきます。そのため、基礎となる『生物』を学ばずに大学に入学すると、ただでさえハードな大学での勉強がさらにハードなものになってしまいます。

 

1から進路についてしっかり考えよう

大学で『生物』の知識が必要なら、『生物』『化学』を選択しておいたほうが、結果的には学習の負担が減ります。大学受験で一生懸命勉強した知識がそのまま大学での専門科目にも活きてくるからです。また、受験勉強をしているときも、将来の専門科目につながる『生物』のほうが勉強する気もわいてくるはずです。

つまり、将来看護・医療・栄養系学部など『生物』の知識が必要な学部に進む場合、高1のうちから『生物』を選択しておいたほうが得策ということになります。しかし、『物理』選択者が多い中で『生物』を選ぶのは、高1生にとっては勇気のいる決断です。自信を持って決断するためには、高1から進路についてしっかり考え、大学、あるいはその先の進路をできるだけ具体的にしておきたいものです。大学のオープンキャンパスに参加したり、気になる大学のHPを見てみたり、あるいは職業について調べてみたりと、できること、やっておくべきことは色々あります。将来に悔いを残さないためにも、早いうちから進路についての意識を高く持ち、選択科目を決断するための材料を集めておくようにしましょう。