新たな英語能力判定試験、TEAPとは

『TEAP』という試験を知っていますか?

TEAPは、上智大学と公益財団法人日本英語検定協会が共同で開発した、新たな英語能力判定試験です。(日本英語検定協会ホームページより)日本英語検定協会といえば、有名な『英検』を実施している機関ですが、TEAPとはどのような試験なのでしょうか。今回は、今注目を集めるTEAPについてご紹介します。

 

大学教育のための英語テスト

TEAPは『Test of English for Academic Purposes』の略です。すなわち、大学教育のための英語テストというわけです。

TEAPでは『読む・聞く・書く・話す』の4技能がすべて試されますが、すべて大学教育の現場を意識した問題になっていることが大きな特徴です。大学の講義、教授や留学生などとのやり取り、資料・文献などの読み取りといった、大学に通っているとでくわす様々な状況を素材とした問題が出題されます。

また、同時に実施されるリーディングとリスニングはマークシート方式ですが、ライティングは文章の要約やエッセイを英文で書くことが求められます。さらに、スピーキング試験では約10分間の面接が課されます。しかも、英検の面接のような単なる試験官からの質問形式だけでなく、受験生から試験官へのインタビューやあるテーマに関するスピーチといった、より高度な英語活用能力が求められる設問もあります。

気になる試験のレベルですが、高3生を対象としたテストということもあり、英検準2級~準1級レベルが目安となっています。

 

大学入試での活用がスタート……入試で英語が不要になる場合も

このTEAP、2015年度入試から大学入試での本格的な活用が始まりました。

開発に関わった上智大学では、2015年度入試から国際教養学部以外の全学部全学科でTEAP利用入試がスタートしています。(参照:http://www.sophia.ac.jp/static/teap/)これは、出願条件としてTEAPのスコアが設定され、それをクリアしていれば出願可能となる入試で、なんと英語の試験がありません。つまり、TEAPが英語の入試のかわりになっているのです。なお、TEAPのスコアは出願資格さえクリアしていれば合否には影響しないので、各学部・学科の出願資格がクリアできるだけのスコアがとれればそれで十分ということになります。

他にも、大学や入試方式によってTEAP活用のしかたは異なるものの、立教大学・関西大学・立命館アジア太平洋大学が2015年度入試でTEAPを取り入れています。さらに、2016年度入試では中央大学・青山学院大学・東京理科大学・関西学院大学といった人気大学でもTEAP利用入試が設けられる予定で、今後も利用する大学は増えることが見込まれます。

 

早めのチャレンジが重要!

このようにTEAPは、基準スコアを満たせば入試科目を減らすことができるメリットがあります。事前に基準スコアをクリアしていれば、入試直前は英語以外の科目に集中できるので、受験生にとっては受験対策がしやすくなります。自分の志望大学がTEAP入試を実施している、あるいはすることになった場合、ぜひ積極的に活用したいところです。

2015年度については、7月・9月・12月の3回実施されることになっています。大学入試に活用する試験ではありますが、大学入試よりも実施時期が早くなっているので、受験するなら早めに対策を立てて取り組む必要があります。複数回のチャレンジが可能なので、何度か受験して基準スコアを超えることを目標にしていきましょう。