小論文に必要なのはテクニックだけじゃない!

「小論文を学ぶ」というと、ついつい「この型通りに書けばOK!」といった書き方のテクニックを学ぶことだと思いがちです。

 

確かに、限られた試験時間の中で、受験生が書きやすく、しかも採点者が読みやすい小論文を書くには、書き方の型を学んだほうがいいのは間違いありません。小論文入試を攻略する上では、やはりテクニックの訓練もしておくべきでしょう。

 

しかし、いくらテクニックを学んだからといって、それだけで誰もが合格レベルの小論文を書けるようにはなりません。小論文入試で合格するためには、テクニック以外にも身につけるべき能力があります。さて、それは何でしょうか?

 

小論文の土台となる『構想力』と『ことばの運用能力』

その能力とは、『構想力』と『ことばの運用能力』です。

これら2つの力は、小論文を書く上でなくてはならない必須要素です。言い換えれば、小論文の勉強をする上での土台になる力といってもいいでしょう。この土台がなければ、いくらテクニックを学んだところで、いい小論文は書けません。

 

知識と経験がモノをいう『構想力』

まず、『構想力』についてです。

小論文では、問いに対して自分なりの論を展開することが求められます。このとき、何を主張するか、その根拠となる具体例には何を挙げるか、どんな改善策があるか……といった構想を練り、展開をふくらませる必要があります。

 

このとき頼りになるのは、話題に関連した知識と自分の経験です。普段から、政治・社会・環境などの問題、あるいは志望する学科に関連する問題について学び、知識を増やしておきましょう。そして、日々の生活の中でそうした問題について考え、時には実践することが重要です。つまり、日々の『ネタ集め』が重要ということです。

 

例えば、地球温暖化に関する問題が出されたとします。このとき、地球温暖化の現状や背景を知っているのといないのとでは小論文の書きやすさが全然違うはずです。また、地球温暖化を自分にかかわる問題として考え、節電を心がけるなどの対策を実践している人なら、自分の体験に基づいた説得力のある文を書きやすいでしょう。

 

逆接の接続語の後は要チェック!

そして、もう一つ重要なのが『ことばの運用能力』です。小論文では、漢字や言葉遣い、ことばの係り受けといった基本的な言語能力も採点対象です。漢字は間違いだらけ、日本語として意味が通じない……こんな小論文では、採点者の印象も悪くなってしまいます。漢字の勉強を日頃から続けておくのはもちろん、読書で正しい日本語の感覚を養うことや、小論文の添削を受けて自分の言葉遣いのクセを修正していくのも重要です。