より偏差値の高い学校に行けばいいとは限らない?

現代は、偏差値ランキングで学校のレベルを簡単に測ることができる時代です。そこでどうしても気になるのが「志望校をどのレベルの学校にするのか?」という問題です。

模試を受ければ、自分の偏差値がわかります。この自分の偏差値をもとにすれば、合格可能性の高い学校、がんばれば合格できそうなレベルの学校、はたまた現時点では合格が難しそうな学校と、自分を基準にしたときの様々な学校のレベルが見えてきます。

もちろん、目標は高いほうが受験勉強にも熱が入りますし、がんばった分だけ学力は伸び、進学後新しい環境で勉強するための力も身につきます。しかし、受験だけではなく、進学後、さらにその後のことも考えてみると、ただ単に偏差値のより高い学校に進学すればいいというわけでもないのです。それはどうしてでしょうか?

 

目標意識や性格が志望校選びに影響する

進学先のレベルを考える上では、偏差値以外にも様々な要素があります。しかし、ここではその中でも本人の目標意識や性格の面に注目してみたいと思います。目標意識や性格は、志望校を選ぶ上で大きな影響を及ぼします。

サッカーの長友佑都選手は、著書『日本男児』の中で、高校進学について考えたときの心境をこう述べています。“「這い上がってやる」という気持ちが誰よりも強い僕は、厳しい環境に身を置いたほうが伸びる。自分が一番でいるよりも、すごい選手、レベルの高い選手たちの中で、「負けたくない」と感じ、努力したいと思った。”母子家庭で育った長友選手は決して裕福な環境ではなく、また中学時代から特に注目される選手だったわけでもありません。しかし、このように考えた長友選手は、よりレベルの高い環境を求めて、地元愛媛を離れて福岡県のサッカー名門校である東福岡高校への進学を決断します。その後もこうした上昇志向で努力を続けた長友選手は、サッカー選手以外の選択肢を考えつつも大学に進み、その後努力が実って世界有数の名門クラブであるインテルでレギュラーポジションをつかむまでになったのです。

 

自分の意欲や目標意識によって、適した進学先は変わる

このエピソードはサッカーについてのものですが、勉強でも同じことがいえます。つまり、レベルの高い環境で学び、さらに上のレベルを目指したい、あるいは将来の目標をはっきり持っていて、そのためにがんばりたいという人は、より高いレベルの学校を目指すべきでしょう。意識の高い同級生と切磋琢磨することで、能力はどんどん伸びていくものです。がんばりたいという気持ちがあれば、積極的にチャレンジしてみることで自分の将来が開ける可能性が高まります。

逆に、特に目標が決まっているわけでもないという人も当然ながらたくさんいることでしょう。そうした人は、志望校を高望みしすぎず、自分に合ったレベルの学校でじっくり学校生活を楽しむのも手です。10代の子どもたちには、様々な可能性が秘められています。たとえ現時点で目標が見えなくても、多少の余裕を持って学校生活を送る中から新たな目標が見えてくることだってあるのです。受験だけにとらわれるのではなく、進学後の学校生活も考えた進路選びをしてみてはいかがでしょうか?