単語力が必要なのは長文読解だけではない?

英単語というと、長文読解問題の点数を上げるために暗記するというイメージがあります。確かに、長文中に出てくる単語の意味が分からないと、文章の意味もつかめなくなりますし、設問にも答えることができません。また、分からない単語の数が少なければ、周囲の文脈から意味を推測することもできますが、一面分からない単語だらけという場合はお手上げです。

単語力が必要なのは長文読解問題だけではありません。それどころか、長文問題以上に単語力を必要とする問題があります。お分かりでしょうか?

 

文法問題こそ、単語力が重要!

多くの受験生は認識していませんが、実は、文法問題こそ単語力が問われる問題だといえます。

たとえば、センター試験の第2問Aのような、日本語訳のない文法の4択問題を思い浮かべてみてください。問題文中の単語の意味が分からず、あれこれ悩んで時間を浪費したあげく不正解……なんて経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?

書いてある単語の意味が分からなければ、問題文に何と書いてあるのか分からないので、考えて答えを導き出すこともできません。しかも、文法問題は問題文自体が短いので、長文に比べ周囲の文脈から得られるヒントも少なく、分からない単語の意味を推測する手法も役立ちにくいのです。

逆に、単語の意味が分かれば、問題文をさっと読んでさっと答えにたどり着ける可能性が高まるので、テンポよく問題を解き進めていくこともでき、正解率も上がります。また、文法問題を短時間でクリアすることで、長文問題に時間をかけることもできるようになります。文法問題を攻略する上では、単語力の強化も忘れてはいけないポイントなのです。

 

文法問題の復習を通して単語力・英文解釈力アップ!

では、文法問題を早く正確に解けるようになるための単語力は、どのようにして身につけていけばいいのでしょうか。

もちろん、単語帳を使って計画的に暗記を進めていくことも重要です。文法問題では、難しい単語はあまり出題されず、基本~標準レベルの単語が用いられる傾向にあります。レベル別の単語帳を使っている場合は、出題頻度の高い基礎的な単語を集中的にトレーニングするのがよいでしょう。

しかし、単語帳での暗記以外にも単語力をアップさせる方法はあります。それは、文法問題の復習です。解いた文法問題を答え合わせし復習する際には、どうしても文法事項の確認にばかり目がいきがちですが、ぜひ問題文そのものにも目を向け、英文の意味を理解する習慣をつけてみてください。また、知らない単語があればメモしておき、一つ一つ覚えていきましょう。こうすることで、文法知識だけでなく、単語力、さらには英文解釈力もつきます。まさに一石二鳥! 復習を通して、文法問題を『カン』ではなく、問題文の意味を理解した上で『理詰め』で解ける力を身につけていきましょう。