理科の最重要科目、化学……苦手克服、どうやって?

化学といえば、高校で学ぶ理科の中でも最重要科目といえます。化学は高校生のほとんどが学ぶ科目なので、理科が苦手な文系の生徒でもつきあわざるを得ません。また、理系の生徒にとって化学は必須科目です。化学の得点力はそのまま受験の合否に直結するといっても過言ではありません。

しかし、化学を苦手とする生徒はかなり多いです。とりわけ、高1~2で学ぶ理論化学のはじめから苦手意識を持つ生徒がしばしばみられます。そこで今回は、化学に苦手意識を持つ原因や、苦手克服のための対策についてみていくことにしましょう。

 

化学が苦手な人の共通点とは

化学が苦手な生徒には、共通した特徴があります。それは、高校化学の基本中の基本である1.周期表 2.化学反応式 3.モル計算 の最低でも1つに苦手意識があるということです。つまりこの3分野は、中学校から上がって間もない高校1年生にとってつまずきやすいポイントといえます。

逆に言えば、この3つのポイントで苦手を克服できれば、化学の基礎力が身につきます。ここでしっかり下地づくりをしておけば、その後出てくる中和や酸化還元などの分野にもついていけるようになります。

 

まずは周期表をマスター

まずは、元素の周期表をしっかり頭に入れましょう。とはいっても、100種類以上ある元素を全て覚える必要は全くありません。最優先でマスターしてほしいのは、原子番号1番の水素から20番のカルシウムまでです。

20番までの元素は、周期表上で特に重要な意味を持ちます。周期表を見ると、20番までの元素は1・2・13~18族の列にあります。20番までの元素の場合、族番号の下1ケタは原子がもつ最外殻電子の数と一致します。1族なら1個、17族なら7個といった具合です。そのため、原子がイオンになるとき、1族の水素やナトリウムは1価の陽イオン、17族のフッ素や塩素は1価の陰イオンとなるわけです。つまり、周期表の位置どおりに覚えると電子やイオンについての理解も深まるのです。

 

化学反応式が苦手な人は、元素ごとの数を書き出そう

次いで大事なのが化学反応式の理解です。化学反応式が書けないと化学は理解できません。特に重要なのが『量的関係』、つまり化学反応式の係数合わせです。化学反応式の→の左右にある元素の数・種類が一致するように反応式を書いてみましょう。最初は、→の左右にHやCなどの元素がいくつずつあるか書き出していくと理解しやすいです。

あとは、中学生レベルの方程式が解ければ、係数合わせは必ずできるようになります。しっかり問題を解いてマスターしましょう。

 

モル計算はモル質量から!

そして、もうひとつ重要なのがモル計算です。ここも苦手意識を持つ人が多いのですが、化学反応式の係数合わせがマスターできていれば、モル計算は割合や比など小~中学生の計算の積み重ねでしかありません。特に重要なのは、1molが何gかというモル質量(g/mol)です。モル計算をマスターする上でのコツは、問題文を見てモル質量に注目することです。モル質量が書いていない場合、まずモル質量を求めるようにするとうまくいくことが多いです。

 

問題を解きながら、苦手克服にチャレンジ

化学が苦手な人は、上に挙げた3つのポイントをまずチェックしてみましょう。そしてもちろん問題を数多く解くことが重要です。一人で理解できないときには、友達や先生に教えてもらいながら1問ずつクリアしていきましょう。化学が得意な人にサポートしてもらえば、意外と短期間で克服できることも多いです。ぜひ、苦手克服にチャレンジしてみてください!