インターネット上で大学の講義が受けられるってホント?

大学の先生の講義といえば、基本的には大学に入学してから受けるものです。あるいは、オープンキャンパスの時などに行われる公開講義や、通っている学校への出張講義を受けるという手もあります。しかし、いずれにしても大学生でない人が気軽に受けられるものではありません。

 

でも、ネット社会となった今、インターネットを利用すれば大学レベルの講義が受けられるのを知っていますか? この分野での先進国アメリカでは、MOOC(ムーク)というサービスがすでに展開され、誰もが好きなときに好きな場所で講義を受けられるようになってきています。

 

MOOCとは『Massive Open Online Courses』の略で、簡単にいえば『インターネット上で公開された講座』といったところでしょうか。インターネット上で講座を受講し、理解度を確認するテストなどを受けて条件を満たせば修了証がもらえます。いわば、大学における単位認定のような仕組みですね。この仕組みを利用することで、大学に通わずとも誰もが自分の受けたい講義を受けられるというわけです。

 

日本でスタートした『JMOOC』

そして、この仕組みは日本でもすでに始まっています。それが『JMOOC』です。JMOOCは日本全体の大学・企業の連合による組織として2013年に発足し、2014年に講座配信がスタートしました。現在、実際に配信を行うプラットフォームとして『gacco』『OpenLearning、Japan』『OUJ MOOC』の3つが展開されています。(出典:http://www.jmooc.jp/about)

 

どんな講義が行われているの?

これらの講座は、実際に無料で簡単に受講することができます。それぞれの講座は動画による講義と、その後に実施される確認テストのセットで構成され、1カ月~2カ月程度の期間で学習するようになっています。

 

実際の講義は、歴史・文化など教養に関するものから、資格試験対策、あるいはビジネスパーソン向けのマネジメント・会計などの知識を学ぶものまで幅広い分野にわたっています。こうした講座を受講しながら、講義の中に出てきた内容についてインターネット上の掲示板で議論するといったことも行われています。

 

高校生なら、対面講義が無料で受けられることも!

配信される講義の中には、事前に講義を視聴しておき、後日その内容をもとに、講義を行った先生にリアルタイムで教えてもらえる『反転学習』という形式もあります。通常は有料なのですが、高校生向けに無料で実施される講座もあります。

 

実はこれ、高校生にとっては大学の授業を生で体験できる貴重な機会です。一例として、上智大学では、夏休み期間中に『gacco』で配信された講義をもとに、教授による対面講義やキャンパスツアーが実施されています。志望校の講義をインターネット上で、さらに大学キャンパス内でも受けられるという仕組みが始まっているのです。

 

ほかにも、東京大・明治大などの教官がこのような対面形式を含んだ講義をスタートさせています。今後さらに規模を拡大していくと思われる『JMOOC』。受験勉強の合間に志望校の講義を体験して、受験へのモチベーションアップをはかってみてはいかがでしょうか?