学費の安さが魅力の国立大学

多くの大学受験生が目標にする国立大学。年間授業料の標準額は53万5,800円(昼間部)と、私立大学に比べて大幅に安く、特に理系では私立大学の半額以下になっている場合もあります。子どもの学費を負担してくれる親からみれば、国立大学に行くのは立派な親孝行といえます。それだけに入試も難関となっていて、毎年激戦が繰り広げられます。

 

国立大学は意外とたくさんある!

さて、国立大学といえば、各都道府県に1校ずつあるような印象を持っている人も多いかと思います。しかし、実はもっとたくさんあるのです。2015年現在、設置されている国立大学は86校(うち4校は大学院のみ)。「思ったより多いな」と思う人もいるのではないでしょうか。実は、中には国立大学だとあまり知られていない大学もあるのです。ここからは、そうした『ちょっと意外な』国立大学を紹介していきましょう。

 

・電気通信大学

大学院大学を除くと、国立大学の中で地名に全く関係ない大学名をもつのはここだけです。そのため、国立大学でないと思われることも多いのですが、2018年には創立100年を迎える歴史ある大学です。ちなみに、一見地名に関係なさそうな一橋大学は、かつて東京商業学校・東京商科大学と呼ばれていた時代に、校舎が東京・神田一ツ橋にあったことが校名の由来です。

 

大学公式ホームページ上にも書いてあるとおり、「電気・通信分野のみの大学と思われがち」ですが、実際に学べる内容はそれにとどまりません。現在募集中の学部は情報理工学部のみですが、その中には総合情報、情報・通信工学、知能機械工学、先進理工の4学科を備え、時代や社会のニーズに応える様々な学問を学べる大学です。また、最寄りの京王線調布駅から徒歩5分、新宿まで電車で15分(大学HPより)という地の利も備えています。

 

・鹿屋体育大学

日本体育大学などと並ぶスポーツ界の名門のひとつで、アテネオリンピック水泳・金メダリストの柴田亜衣選手をはじめ多数の有名スポーツ選手を輩出していますが、実はここも国立大学です。国立大学では唯一の体育専門大学となっています。

 

キャンパスは鹿児島県の鹿屋市にあります。スポーツと武道の課程があり、プロスポーツ選手だけでなく、体育の先生、警察官などの公務員、あるいは実業団スポーツの道に進む卒業生も多いです。また、大学院に進学しスポーツ指導者などを目指す人もいます。

 

・琉球大学

沖縄県唯一の国立大学です。戦後、アメリカ軍による統治が行われ、1950年に設立されました。かつては世界遺産として知られる首里城跡にありましたが、現在は那覇市近郊の西原町に移転しています。なお、沖縄県には沖縄大学もありますが、こちらは私立大学です。

 

沖縄県の特性を反映し、観光産業科学部や亜熱帯生物の研究を行う農学部といった特徴のある学部が設置されています。地理的要因などから沖縄県内の受験生が多くなっていますが、偏差値が低く、他の国立大学に比べ合格しやすいため、「何が何でも国立大学に!」という県外からの受験生もみられます。

 

いかがでしょうか? 意外と知らない国立大学もあったのではないでしょうか。国立大学への進学を考えている人は、ぜひいろいろな大学を調べ、受験校の候補を選んでみてください。