受験生になってからでは遅いこともある?

部活を引退したことをきっかけに、夏ごろから受験モードに切り替わるという人は多いようです。部活を一生懸命やっていると、どうしても時間が足りなくなってしまい、受験学年になっているのに受験勉強どころではない…… という状態になってしまうのは珍しくありません。

 

しかし、このような人は、どうしてもスタートの時点でライバルたちに比べ、不利な状況に置かれてしまっています。「部活で養った集中力や根性で挽回する!」といえば聞こえはいいですが、不利な状況を逆転して合格をつかむための苦労は並大抵のことではありません。

 

受験生になる前に、できる準備は少しでもしておきたいものです。そこで今回は、受験生になる前にやっておくべき準備についてみていきましょう。

 

まずは受験校を考えることから!

まずは、勉強面での準備です。やはり、何よりも大切なのは受験科目の基礎固めです。しかし、基礎固めをするにしても、目標が定まっていないとやるべきことも見えてきませんし、何より忙しい中で勉強時間をつくる意欲がわきません。

そこで、できるだけ早いうちから受験校を考え、受験科目や問題のレベルを知っておきましょう。近くにある学校のレベルや入試問題について知っているのと知らないのとでは大違いです。また、オープンキャンパスや文化祭などに参加し、校内の雰囲気を感じるのも大切なことです。1~2年生のうちからこうした取り組みをしていれば、自然と受験勉強への意欲も増し、結果的に受験生になったときの下地ができやすくなります。

 

検定試験などは、受験生になる前の取り組みが大切!

学校によっては、学校の成績や検定試験合格などが出願条件になっている場合があります。これらの対策については、早めに始めておかないと意味がありません。

 

大学受験だと、出願にあたって成績要件がある推薦・AO入試の場合、必要なのはだいたい夏(3学期制なら1学期末)までの成績です。これでは、部活引退後から取り組んでも手遅れです。先ほどの内容とも関連しますが、高1・高2のうちから目標をもち、よい成績を確保しておくのが重要です。

 

高校受験の場合はもっと成績が重要です。特に公立高校受験生は副教科も含めた全科目の成績が問われるので、中間・期末テストで高得点が取れるよう普段から授業、予習・復習を大切にしておきたいところです。

また、英検などの検定試験も、やはり2年、あるいは3年前半までに取得しておきたいところです。たとえば中学生の英検については、中3の10~11月に行われる第2回試験までがタイムリミットになります。ここまでに英検3級、英語が得意な人なら準2級以上の合格を目指し、早めに勉強を進めておきましょう。

 

忘れちゃいけない『学習習慣』

また、受験生になったときに差が出るのが、学習習慣の有無です。部活でどんなに疲れていても、毎日家で机について勉強する習慣がついている人は、受験生になってからも勉強への意欲・集中力が高く、受験までに学力が伸びやすい傾向にあります。学校や受験塾、予備校などが発表するデータを見ても、1~2年時に家庭学習時間が多い人ほど、結果的に総学習時間が積み上がるだけでなく、3年時でも勉強時間が増える傾向にあり、受験を迎えるころには大きな差となってあらわれます。1日1時間の学習の差が、1年間では365時間の差になることを考えても、やはり早めに学習時間を確保する努力をしておきたいものです。