新しすぎるニュースは時事問題の素材にならない?

公立中高一貫校の適性検査や高校・大学入試、入社試験などでよく出題される時事問題。学校によっては毎年必ず出題するところもあり、対策が必要な分野です。

 

しかし、ひとくちに時事問題といっても、最新のニュースばかりが素材になるとは限りません。むしろ、新しすぎるニュースからは出題されにくいのです。

 

出題されやすい時期、されにくい時期

高校・大学入試問題での実際の出題例を見てみると、2015年度では、2014年7月の出来事である「集団的自衛権の行使を認める閣議決定」、3月の「ロシアによるクリミア半島編入」、6月の「富岡製糸場と絹産業遺産群の世界文化遺産登録決定」などが多く出題されました。あるいは8~9月の「デング熱感染」、9月の「御嶽山噴火」「スコットランドのイギリス残留」といった出来事も出題されています。また、筑波大附属駒場中学校入試の社会科では、6〜7月にかけて行われた「サッカーブラジルW杯」に関連した問題が出題されました。

 

一方、それ以後の重大ニュースである11月の「消費税引き上げ見送り」や12月の「衆議院議員総選挙」についてはほとんど出題されていません。どうやら、時事問題として出題されやすいのは9月ごろまでのニュースといえそうです。

 

カギは入試問題作成の時期にあり

この理由は一体何でしょうか? その答えは、入試問題が作成される時期にあります。

 

入試問題は、問題のチェックや印刷などにかける時間も計算に入れて、入試の何カ月も前に作成されます。時事問題の素材などをヒントにすると、1~2月に行われる国立・私立中高の入試や公立中高一貫校入試の場合、10月ごろ、遅くとも11月には問題が完成しているケースが多いと思われます。そのため、時事問題の素材はその年度の秋口までに起こった出来事から選ばれることになるわけです。

 

秋までのニュースがターゲット

というわけで、時事問題の対策を行うなら、秋までのニュースに照準を合わせるのがよさそうです。逆に、入試直前の年末~年始にいくら最新ニュースをチェックしても、「労多くして功少なし」となる可能性は大いにあります。

 

時事問題の対策をするなら、普段からニュースを見たり、新聞を読んだりする習慣をつけておくのがもちろん有効ですが、入試直前には短期間で時事問題対策をしたいときもあるでしょう。その場合、その年度の秋までのニュースをターゲットにするとよいでしょう。また、年末には新聞やテレビのニュースで、今年の重大ニュースについて特集が組まれることがあります。これらを利用して一気にニュースのおさらいをするのも有効です。