『各国の得意分野』を知れば、入試に強くなる!

高校入試の社会科では、表・グラフなどをもとにした問題がよく出題されます。特に、貿易の分野では、各国の生産量・輸出量などを表・グラフ化し、その中に空欄を設けて国名や農作物・資源名などを答えさせる問題が頻出します。

 

こうした問題では、主な農作物や資源について、生産量・輸出量が多いのはどの国かというデータを把握しておくことが重要です。そこで、ちょっと意外な『各国の得意分野』を中心に、入試に強くなるデータを紹介していきます。まず第1回は農作物からです。

 

なお、生産額・輸出量などの数値は『データブック オブ・ザ・ワールド2015』(二宮書店)によっています。

 

3大穀物は、生産量と輸出量の上位国の違いに注意!

まずは、主食となる米・小麦・とうもろこしの3大穀物からです。3大穀物は、生産量と輸出量の上位国が一致しない点に注意が必要です。これは、人口が多い国では、たとえ生産量が多くても国内で消費され、輸出にまわる量が少なくなってしまうからです。

 

特にその傾向が顕著なのが、中国とインドです。ご存じのように、人口13.9億人の中国と12.7億人のインド(いずれも2014年)の人口は、世界1位と2位を占めています。この両国は、米・小麦の生産量(2012年)でも世界1位・2位となっていますが、輸出量(2011年)では両国ともに輸出上位国に名前がありません。

 

また、タイは米の生産量では5位ですが、輸出量は世界一です。中国やインドと比べると人口は約20分の1のタイでは、生産量の4分の1以上が輸出向けとなっています。

 

一方、とうもろこしは生産量(2012年)・輸出量(2011年)ともアメリカが1位ですが、生産量2位の中国はやはり輸出量のランキング上位にはいません。代わって輸出量2位にランクインしているのがアルゼンチンなので、覚えておきましょう。

 

覚えておきたい農作物など

ここからは、特定の国が上位にくる農作物などを紹介していきます。いずれも、知っておくと得点源になりうるものばかりです。ぜひ覚えておきましょう!

 

・コーヒー豆

生産量・輸出量(ともに2012年)とも、1位はブラジル、2位はベトナムです。ブラジルは知っている人も多いでしょうが、ベトナムが2位というのは意外ですね。

 

・さとうきび

さとうきびの生産量(2012年)も1位はブラジルです。全世界の生産量の約4割がブラジルで生産されています。ブラジルは国土の多くが熱帯にあるので、暑い気候で育つさとうきびの生産に向いています。

 

・羊

最後は羊の飼育頭数(2012年)についてです。「人間より羊が多い」といわれるオーストラリアが1位と思う人も多いでしょうが、実は飼育頭数が最も多いのは中国です。以下、インド、オーストラリア、スーダン、イランの順となっています。オーストラリアもそうですが、国土の多くが乾燥帯に属する国が上位を占める結果となっています。特にスーダンなどは問題を解く際のカギになることもあるので、覚えておくとよいでしょう。