資源・エネルギーに関する頻出データを知ろう

表・グラフを用いた、各国の農作物や資源などの生産量・輸出額に関する問題は、社会の入試ではしばしば出題されます。前回の農作物編に続き、今回は資源・エネルギーに関するデータを紹介していきます。しっかり覚えて、入試での得点源にしましょう。

 

なお、生産量・輸出量などの数値は『データブック オブ・ザ・ワールド2015』(二宮書店)によっています。

 

原油生産量1位となったロシア

最初に注目したいのは、ガソリンなどの石油製品、さらには火力発電の燃料などに幅広く用いられる原油です。よく出題されるのは、生産量と日本の輸入先です。まず生産量(2011年)は、ロシアが13.7%で首位、僅差の12.9%でサウジアラビアが続き、以下アメリカ、中国、イラン、ベネズエラの順となっています。少し前まではサウジアラビアのほかアラブ首長国連邦など中東諸国の産出量割合が大きかったのですが、油田開発を進めたロシアが中東諸国に取って代わったことに注意が必要です。

 

一方、日本の輸入先(2013年)は依然として中東諸国が上位を占めています。1位は31.8%のサウジアラビアで、2位のアラブ首長国連邦と合わせた上位2国で5割以上のシェアを占めています。

 

主な鉱産資源の生産国

次に紹介するのは、代表的な鉱産資源である鉄鉱石、銅鉱、ボーキサイトについてです。鉄鉱石は生産量・輸出量ともにしばしば出題されます。精算量(2012年)は中国、オーストラリア、ブラジルのトップ3で約7割を占めるのに対し、輸出量(2012年)はオーストラリアとブラジルの2国で同じく約7割を占めます。これは中国国内での消費量が非常に多いためで、中国は世界の輸入量の約6割を占める世界一の鉄鉱石輸入国でもあります。

 

また、銅鉱の生産量(2011年)はチリが30%以上、ボーキサイトの生産量(2011年)はオーストラリアが約30%を占めて世界一となっています。特にチリが生産量・輸出量ランキングに登場するのはほぼ銅鉱のみなので、覚えておくと得点源になります。

 

発電量割合は、主要国の特徴に注目

最後に、主要国の電源別発電電力量構成比(2011年)に注目したいと思います。この年3月には日本で福島第一原子力発電所の事故が発生したため、年の途中から原子力発電の割合が大きく減少しました。そのため、日本の発電量の約2割を占めていた原子力発電の割合が9.7%にまで減少し、代わって火力発電が80.4%と8割を超えたことに注意が必要です。

 

他の国を見てみると、アメリカは火力発電69.9%、水力発電7.9%、原子力発電18.9%、風力や太陽光などの新エネルギーによる発電が3.3%とやはり火力発電中心です。原子力発電の技術がない国ではこの傾向がさらに強まり、中国は火力発電81.3%、水力発電14.8%に対し原子力発電は1.8%しかありません。

 

一方、よく出題されるのが水力発電の割合が多いカナダ、ブラジル、原子力発電の割合が大きいフランスです。カナダは59.0%、ブラジルはなんと80.6%を水力発電が占めています。また、原子力発電を積極的に推進してきたフランスは、78.7%が原子力発電によるものです。こうした特徴をつかんでおくと、問題を解きやすくなります。

 

なお、近年注目が集まっている新エネルギーについては、発電量に占める割合が10%を超えるドイツ、スペインなどヨーロッパの国で導入が進んでいることを覚えておきましょう。