大学入試の改革とともに、親の意識改革も必要

文部省の高大接続改革にともない、2020年度以降の大学入試が大きく変わることはすでにご存じの方も多いでしょう。しかも、今回予定されている改革は、今まで大学入試において行われてきた変更のレベルを超える大がかりなものです。もちろん受験するのは合格を目指す子どもたちですが、かつてない変化の波の中で、子どもを支えるはずの親がその波から取り残されていては、足を引っ張ってしまうことにもなりかねません。

 

そこで、子どもたちだけではなく、親にも意識改革が求められるといえます。今回は、現時点で判明していることをもとに、親はどのような意識を持って子どもと、そして大学受験と向き合っていくべきかを探っていきます。

 

参照:文部科学省「高大接続改革プラン」(2015年1月16日発表:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo12/sonota/__icsFiles/afieldfile/2015/01/23/1354545.pdf)など

 

単なる大学入試改革だけではない?

まず、注目すべきは、今回の改革が単なる大学入試改革ではなく「高大接続」、すなわち子どもが高校から大学へ進学する流れ自体を変える改革である点です。

 

さらに、大学入試だけでなく、高校・大学教育自体が大きく変わる予定です。キーワードは、生徒・学生の「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」です。つまり、子どもが自ら課題を発見し、その解決のために考え、探求し、その成果を表現する力を育む。そして自ら進んで多様な人々と意見を交わし、協力して共に考えるという態度も重要視されています。

 

こうした能力・態度を備えた生徒・学生を育てられるよう、高校・大学での教育が今後大きく変わる見込みです。大学入試改革は、その流れの中の一つなのです。

 

親も子どもとともに情報収集しよう

もちろん、上記の改革についてはあくまでも予定であり、細かい内容などはまだ決定されていないものも多くあります。そこで、子どもを大学に進学させようと考えている親は、まず大きな改革の流れをつかんだうえで、変化に乗り遅れないよう情報収集を怠らないことが重要です。「自分たちの時代は○○だった」という経験・記憶は、いったん横に置いておきましょう。親の世代が経験してきた教育・入試とは、まったく異なるものになると予想されます。子どもが経験する変化について、親も一緒になって学ぶ姿勢が必要になりそうです。

 

今まで以上に高校選びが重要に

こうした改革の波にさらされているのは、高校についても同じです。そこで、子どもを大学に進学させたい親は、今まで以上に高校選びについて敏感になることが求められます。

 

すべての高校が同じように改革の波を乗り切れるとは限りません。すでに時代を先取りした教育を行っている学校は、新テストへの対応も比較的スムーズに進みそうですが、従来型の教育に力を入れてきた高校の中には、新たな制度への対応が遅れるところも出てくると思われます。新テストで大学受験に臨む世代の子どもと親には、高校入試の前に行われる説明会などで大学入試改革への対応状況をチェックし、新制度のもとで行われる大学入試に十分対応できそうな高校を選ぶことが求められます。