この大学、大丈夫? と気になったときは

少子化が進行している中、大学の中には経営難に陥るところも出てきています。中には学生募集を停止し、閉校に追い込まれるケースもみられます。もし通っている大学が突然閉校することになってしまったら…… 考えただけでも恐ろしいですよね。そこで、こうした危ない大学をチェックする方法をまとめてみました。

 

誰でも入れる大学=危ない大学

大学の入試倍率を確認できるサービスを提供している会社は数多くあります。そういった会社の媒体で、大学ごとに学部・学科の入試倍率を調べてみましょう。すると、中には全学部・学科の倍率が「1」となっている大学があります。これが『危ない大学』です。

 

倍率1倍未満、つまり定員割れの場合も「1」と表示されます。全学部・学科の倍率が1倍というのは、すなわち全学部・学科で定員割れを起こしている、人気のない大学ということを意味します。

 

こうした誰でも入れる大学は、当然ながら学生が集まりにくいため経営難に陥りやすく、ひどい場合には大学の倒産である募集停止という事態になりかねません。実際に募集停止に陥った大学も、そうなる前に、誰でも入れる状態を経験しています。

 

このようにみてくると、将来のことを考えれば、やはり競争率の高い大学受験を突破して入学するほうがよいといえます。「答案用紙に名前さえ書けば合格するからラッキー!」ではないことに、くれぐれも注意しておきたいものです。

 

文部科学省からの指摘に潜む「危ない大学」のヒント

もう一つ、危ない大学かどうか調べる方法をご紹介しましょう。

大学等を所管する文部科学省は、全国の大学等を対象に設置計画履行状況等調査(通称:アフターケア。平成26年度の調査結果についてはhttp://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1355057.htmを参照)を行っています。これは、大学等が事前に計画した通りの教育内容を実施できているか、文部科学省が調査したものです。この中では、さまざまな大学等について、定員割れが続いている、教員が不足している、授業の計画を大きく変更してしまっている、といった問題が指摘されています。

 

この調査結果をよく読むと、危ない大学かどうかの判断材料を集められます。特に注目したいのは、「定員充足率が0.7倍未満となっている」という指摘です。かなりの学部・学科でこうした指摘が行われていますが、大学内の学部・学科のほとんどで定員充足率についての指摘が行われている大学は、人気がない危ない大学といえます。

 

また、「教員の離職率が高い」「退職年齢を超える専任教員数の割合が高い」といった指摘からは指導を行う教員に関して不安があることがわかりますし、「大学教育水準とは見受けられない授業科目がある」という指摘がある大学は学生の質が低いと考えられます。このようなコメントがついている大学も要注意といえるでしょう。

 

大学選びの際には、こうした情報もチェックした上で、安心して通える大学を探しましょう!