公立中高一貫校入試をとりまく状況

全国的に人気を集めている公立中高一貫校。いわゆる「ダメもと」で挑戦する受験生も多くみられますが、実際にはそう簡単に合格できません。

 

東京都教育委員会が発表した、2015年度の都立中高一貫校の一般枠募集における10校の平均受検倍率は6.22倍で、少子化の進行などを背景にやや落ち着きつつあるものの、それでも高倍率を保っています。

 

また、首都圏の中学受験の偏差値ランキングを見てみると、都立小石川中をはじめとする公立中高一貫校は国立・私立の難関中学と同レベルに位置付けられています。公立校ゆえの学費の安さや、東大をはじめとする難関大学への合格実績とあいまって、国立・私立中との併願者も多いのが現状です。

 

早い者勝ちの公立中高一貫校入試対策

こうした状況を背景に、公立中高一貫校合格を目指す上で重要とされるのが早期の受験勉強スタートと早めの模試合格圏確保です。すなわち、公立中高一貫校入試は早い者勝ちということです。その背景について見ていきましょう。

 

確実に合格するには?

公立中高一貫校の大きな特徴として合格枠が少ないということが挙げられます。私立中は併願者による入学辞退を見越して合格者を多めに出しますが、公立中高一貫校では基本的に定員分しか合格を出しません。補欠繰り上がりによる合格は毎年見られますが、繰り上がれるかは辞退者がどれだけ出るかによります。確実に合格するには、定員内の順位に入っておく必要があるのです。

 

ライバルに勝つための早期スタート

ただでさえ高倍率なのに、多いとはいえない定員枠内に入らなければならないわけです。合格しようと思えば、必然的にライバルより多くの勉強時間を確保しなければなりません。そのための最善の方法といえるのが早期の受験勉強スタートです。

 

中学入試は、ゴールである入試日こそ決まっていますが、スタートラインは決められていません。早く始めれば始めるほど有利になります。また、公立中高一貫校入試は暗記に頼る要素が少なく、論理的思考力・読解力・表現力など養成に時間がかかる能力を鍛えたほうが合格しやすい内容になっています。焦らずじっくり鍛えるためには、やはり早期スタートが必要となります。

 

先行逃げ切りを目指そう

そして、早く準備を始めたアドバンテージを生かして、周囲のライバルより早めに合格圏に入っておく必要があります。模試で同じ学校を第一志望校にしているライバルは、ほぼそのまま本番でのライバルとなります。となれば、本番で合格を目指すためには、模試で定員内の順位に入っておくことが重要といえます。

 

そのためには、小学6年までに勉強する内容を早めに学び終えることももちろん必要ですが、論理的思考力、読解力、論文力をつけるトレーニングを小5までに始めたいところです。さらに、スムーズに受験対策に移行できるよう、低・中学年のうちから、本を読む習慣、一つの物事について深く考える習慣をつけておくことなどが有効です。

 

本気で公立中高一貫校を狙うなら、早めの準備で先行逃げ切りを目指しましょう!